生活保護を受給していた78歳の父が“腐敗した状態”で発見。納骨までにかかる「驚きの金額」と、実娘が知った福祉葬の実態
特殊清掃の費用は最低20万円に
父が発見された時は腐敗が進み、うじがわくような状態だった。その特殊清掃にかかるお金はどれくらいなのだろうか? 特殊清掃会社でアルバイト経験のある、ライターの村田らむ氏(@rumrumrumrum)に聞いてみた。 「多くの人は『清掃にかかる値段は数万円。高くても10万円くらい』と思い込んでいる場合が多いですが、ゴミ屋敷や特殊清掃などの掃除は、少なくとも20万円以上はかかります。フローリングや壁がいちじるしく傷んでいて、リフォームしなければならないと、より高い金額になります」 父のアパートは高齢者向けの賃貸物件だったので、保証人は管理会社だった。退去時クリーニング費用で筆者に負担がかかることはなかった。
身分証を身につけていないとDNA鑑定
佐藤さんの話に戻る。筆者の父は遺体の発見まで1か月かかり、腐敗が進んでいた。だから、本人特定するためにDNA鑑定を受けたのだと思っていた。 「DNA鑑定をするしないに期間は関係ありません。そもそも本人だと特定する制度がおかしくて、服のポケットに身分証でも入れてない限り、自室で亡くなっていようと、DNA鑑定をして本人だと特定をします。だから、独居の人が亡くなると、絶対にその人以外にあり得ない状況でもDNA鑑定を受けることになります」 筆者は警察から「検死が終わるまでは遺体を預かりますが、火葬までの間は保管料がかかります」と言われたが、父が生活保護だったため、請求は役所に直接いった。結局、保管料はわからないままだったが、実際にはいくらくらいかかるのだろうか。 「昔は、検死が終わるまでは遺体を預かってくれるということはありませんでした。検死に時間がかかるのではなく、DNA鑑定に時間がかかり、1日1万円×1週間~2か月が目安です。ただし、警察署で遺族が『お金がないから早く遺体を返してください!』とごねて、面倒ごとになるとDNA鑑定の期間が早まったという話も聞きます。いずれにせよ真似してはいけませんが。今回の福祉葬の場合、遺体の保管料は『正当な事由』なので、葬祭扶助費で出ます」