著名人を悪用したSNS型投資詐欺が急増 被害者の多くは40~60代 “オレオレ詐欺”や“還付金詐欺”とは異なる手口
トビラシステムズ セキュリティリサーチャー 柘植悠孝さん: 「参加者がサクラになるんですけれども、参加した被害者以外が実際にもうかっている状況を作り出して騙すというような形ですね」 その後、アシスタントと名乗る人物が登場し、架空の投資話を持ちかけてきて、金をだまし取るための振込先の口座などを伝えてくるのです。 被害者の多くは、老後の資金や資産形成に興味がある40代から60代。お金に関することをインターネットで検索すると、SNSが“興味あり”と判断し、関連した広告が表示される仕組みになっていて、その中に偽の投資広告が出てきてしまうといいます。
今までの特殊詐欺とは異なる特徴 「SNSだけでやり取りしている相手を信用しないで」
愛知県内でも被害が激増しているSNS型投資詐欺には、これまでの特殊詐欺とは異なる特徴があります。 まずは被害額です。愛知県警が公表する今年1月~5月の被害額から算出すると、SNS型投資詐欺の1件あたりの平均被害額は約1075万円。オレオレ詐欺は約276万円、還付金詐欺は約147万円であることから、被害額が格段に大きいことがわかります。 さらに、手口にも対照的ともいえる特徴が。「トビラシステムズ」によると、今までの特殊詐欺は、電話やショートメッセージで接触し、「今すぐに…」と焦らせて短時間でだまし、「未納金がある」などと“不安をあおる”のが特徴でした。 一方、SNS型投資詐欺は、SNSからLINEへ誘導した後、時間をかけてやりとりを重ねて信頼させ、「必ず成功する」など“将来への期待”を持たせるのが特徴です。 こうしたSNS型投資詐欺の被害を防ぐため、愛知県警は池上彰さん出演の動画を商業施設などで流し、注意喚起を行うということです。 愛知県警本部 生活安全部 春日章参事官: 「SNSだけでやり取りしている相手を信用しないでいただきたい。不安だったら警察に相談をして、我々がきちんとアドバイスをさせていただきます」 政府も “絶対に儲かる”などの触れ込みの広告や、勉強会などと称してLINEなどのグループに招待された場合は、詐欺を疑ってほしいと呼びかけています。