著名人を悪用したSNS型投資詐欺が急増 被害者の多くは40~60代 “オレオレ詐欺”や“還付金詐欺”とは異なる手口
最近、著名人の姿を悪用した広告を入り口に、投資詐欺にあうケースが増えています。こうした広告をクリックしたらどうなるのでしょうか? そこには、劇場型ともいえるグループトークの“罠”が待っていました。 【動画】 “劇場型”グループトークの罠
著名人を装ったSNS型投資詐欺 池上彰さんも「詐欺に使われ本当に残念」
SNSで著名人を装い、巧妙に金をだまし取る投資詐欺。愛知県警はジャーナリストの池上彰さんと協力し、注意を呼びかける動画を制作しました。池上さんも自身の画像を勝手に使われ、詐欺被害につながってしまいました。 ジャーナリスト 池上彰さん: 「本当に怒っているというのと、情けないですよね。こういう形で私が詐欺に使われたということが、本当に残念で残念でしょうがないですし」 著名人を悪用した広告については、実業家の前澤友作さんや堀江貴文さんを無断で使ったものも出ていて、本人が“なりすまし被害”を訴えています。
被害が急増するSNS型投資詐欺。愛知県では、去年1年間の認知件数は156件、被害総額は約22億7000万円でしたが、今年は5月末までで289件、約31億円に上っています。
なぜだまされてしまうのか… SNS型投資詐欺の巧妙な手口
もしSNS型投資詐欺の広告をクリックしてしまったら、どうなるのでしょうか。 その手口を知るため、警察にも協力し、詐欺対策のサービスを提供する会社「トビラシステムズ」を訪ねました。そこで見せてもらったのは、SNSにアップされている投資に関する広告。ある広告には「5000円が2日で800万円に」と書かれています。 トビラシステムズ セキュリティリサーチャー 柘植悠孝さん: 「普通に考えると、こんな簡単にもうかるということはありませんので、犯罪者グループっていうのは、簡単に楽してもうかるというような甘い言葉で誘ってくると、そういった手口になります」 この会社が調べたところ、池上さん以外にも著名人の画像が使われた詐欺とみられる偽の広告が多数見つかったそうです。
こうした広告をクリックすると、LINEなどのメッセージツールに誘導され、グループでのトークが始まります。会話を主導するのは先生と呼ばれている偽広告の画像と同じ人物。「私たちのチームの主力取引は毎回計画があります」「予想した利益などもすべて事前に予測しています」という、先生と呼ばれる人物の発言に、次々とリアクションが…。 「先生の助けがなければ、こんなにスムーズにはいかなかったと思います」「先生がいなければ、私たちにはこんなチャンスはありませんでした」「先生の推薦のおかげで、このような利益を得ることができました」など、あたかももうかったようなメッセージが多く見られますが、この参加者たち…実はサクラ。