今年も〝月見商戦〟始まる ピザやスイーツなど多彩
鶏卵相場も一段高値に
月見商戦が活発化し、飲食チェーンや洋菓子メーカーが卵メニューを売り込んでいる。定番のハンバーガーに加え、昨年の好調な売れ行きを受けたピザチェーンが充実したメニューを展開する。月やウサギを表したスイーツなども盛り上がりを見せる。業務筋の需要高まりを受けて、高値にある鶏卵相場がもう一段上げる気配だ。 ハンバーガーショップを展開するガネーシャは「月見バーガー」(チーズ入り1880円)を売り込む。和牛のすね肉を使用した食べ応えのあるパティに、とろり溶ける半熟卵を合わせる。埼玉産の卵を使用しており「餌にこだわった雑味の少ない濃厚な黄身と、うま味が凝縮したパティとの相性を楽しんで」とアピールする。
家飲み需要に メニュー拡充
家飲み需要の拡大を背景に宅配や持ち帰りチェーンも幅広いメニューをそろえる。ドミノ・ピザは4種類のピザが1枚で味わえる人気メニュー「月見クワトロ」を昨年の5倍以上の食材量で販売を拡大する。味は「クリーミーたまご&ベーコン」「クリーミーたまご&4種のきのこ」「てりチキたまご」、ビーフパティを満遍なく広げた「月見バーガーピザ」の4種を用意。宅配でMサイズ4480円から。気軽に1人で月見を楽しめ、サイドメニューをセットにしたコンパクトサイズの「ピザBENTO」(持ち帰り990円~)の販売も強化する。 スイーツとしての需要も高まっている。洋菓子大手のモロゾフは卵を満月に見立てた「お月見プリン」(411円)、「お月見デンマーククリームチーズ」(直径17センチ、1296円)などを販売する。 需要期に入り、鶏卵の卸値は上昇傾向にある。建値となるJA全農たまごのM級基準値(東京)の月別価格を見ると、9月は1キロ248円(9日時点)となり、過去5年間では高騰した昨年に次ぐ水準。今後も、「月見メニューによる外食需要の拡大で、相場が強含みで推移する」(業界関係者)見通しだ。
日本農業新聞