「不祥事多発」や「ルッキズムで時代錯誤」と批判も…それでも大学の学祭から「ミスキャンパス」がなくならない理由
■「インフルエンサー」を目指す人が多出 これに目をつけたのがスポンサー企業で、ソフトバンクなどの大手企業が各大学のミスキャンパスコンテストに協賛。出場者たちにPR投稿をさせて企業の宣伝に使おうという流れに波及した。 有名大学のミスキャンパスコンテストのファイナリストになれば、ある程度のフォロワー数が見込めるため、出場者の中には女子アナやタレントではなく、インフルエンサーを目指そうとする者も現れるようになっていった。
山賀琴子は、グランプリ受賞後、大手芸能事務所・研音に所属し、女優を目指すことに。ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』にも出演したが、すぐに退所。現在は自分のジュエリーブランドを立ち上げるなど、インフルエンサーとしての影響力を仕事につなげている。 また、2020年の準ミス青山学院の新田さちかも、コンテスト後に所属したホリプロを3年間でやめて、アパレルブランドを立ち上げている。ほかにも、山賀と同じ2015年にミス青学に出場した中村麻美や、2016年度ミス立教の楫真梨子など、インフルエンサーとしてブランドを立ち上げる者が多く、それがひとつのモデルケースとなっている。
つまり、インフルエンサーとしての成功例が増える一方で、ミスキャンパスコンテスト出場者を芸能事務所が預かって大きくするという流れは成功例が出づらくなっているのだ。もちろん、どちらが優れているというわけではないが、ネットのない時代のシンデレラストーリーに比べれば、小粒化し、現実味が増してしまった印象だ。 また、候補者に毎日ネット投票をしている男性の支持者は、購買力が強い層ではないので、ミスキャン出場者が女性向けブランドを立ち上げたり、インフルエンサー化していく流れの中では、彼女たちにとっても重要なファンではなくなり、コンテストが終わるとお互いに離れていく。
そして、コロナ禍が訪れた2020年は、完全にミスキャンパスコンテストがオンライン化した年となった。 コンテストが無観客でしか行えないのでネット投票になり、さらに2010年代の後半に始まった、ファイナリストが動画配信アプリによってファンと交流し、そこでの投票がコンテストの結果に反映される流れも一気に加速した。 ここでは、学外の一般視聴者が多額の課金をするなど、大学の文化祭のイベントとしては異質な状況が出来上がることになる。