じぶんの肌も内面も見つめる時間を:パーソナライズスキンケアブランド「iEL」
熊本県に本社を置くリバテープ製薬株式会社は、創業から140年以上続く会社だ。もともとは家庭用絆創膏の開発からスタートした同社だが、現在は医薬品・医薬部外品・医療機器の製造販売など、さまざまな事業に取り組んでいる。 また、「肌そのものを健やかに保てるように」との想いから、スキンケア商品の開発にも情熱を注ぐ。2023年に誕生したパーソナライズスキンケアブランド「iEL(アイエル)」も、その取り組みのひとつだ。 今回は、同社で開発・営業を務める坂口さんと豊福さんに、創業の経緯やスキンケア商品に注ぐ想いなどについて、話を伺った。
創業者の教えを、今もなお大切に受け継ぐ
リバテープ製薬株式会社(前身である星子旭光堂)の創業は1878年。西南戦争の激戦地である田原坂近隣にて、創業者である星子亀次郎が敵味方分け隔てなく負傷者の看護を行い、それに感銘を受けた薩摩軍医から秘伝の膏薬の調合方法を教えてもらったことがきっかけで誕生した。 「伝え聞いた製法に基づいて膏薬製造を開始し、『ほねつぎ膏』を製品化しました。当時は現在のように湿布剤がなかったため、傷や神経痛に効果のある軟膏は大変重宝されました。 その後、国内メーカー初の薬液付き救急絆創膏の開発に成功。『リバテープ』の商品名で、家庭用絆創膏として販売を開始しました。 “より多くの方のお役に立ちたい”という想いから、その後も医療用の大型絆創膏や医療用品の開発・製造・販売を行ってきました」 同社には、「世のため、人のために仕事をする」という創業者の教えがある。リバテープの発売をきっかけに、肌の健康を守ることを会社の使命として事業に向き合っている。
「化粧品づくりで大切にしているのは、品質・使用感・効果実感のほか、環境や人に優しい原料であるかなど、本当にいいと思うものを厳選し、丁寧につくり上げることです。 その結果、成分数は少ないかもしれませんし、もの珍しい成分は入っていないかもしれません。ですが、丁寧につくった弊社の化粧品が“自然な美しいお肌”につながると信じています。 “年齢を重ねることに抗うのではなく、自然体である美しさを受け入れ、毎日を楽しんでほしい”という想いを込めて、開発・製造を行っています。 『ニーズをカタチに、カタチを製品に。』が弊社全体のスローガンです。“人さまのために”という創業者の精神を受け継ぎながら、お客様に必要とされる製品の開発を続けています」 同社は、テープ製剤や消毒剤などの医療用製品の開発・販売がメイン事業である。化粧品事業においても、それが強みになっているそうだ。 「開発部や営業部には、その分野を専門とするスタッフがすぐ近くにいます。そのため連携が取りやすく、医薬品の品質管理のことや、病院でもスキンケアアイテムが重要視されていることなど、いろいろな情報が入ってきます。 また、リスク分析や安全性・品質試験など、開発工程での検討や記録も、医療用製品を基準とした管理が可能です。このような分野の事業を並行して行っている化粧品会社は珍しく、会社全体の意識付けとしてプラスに働いていると思います」