「並んで撮るのは結婚式以来?」「新鮮な感じがしますね」日本舞踊家・藤間勘十郎さん・紗也子さんの着物の時間。
そんなふたりに着物のこだわりを聞くと、 「私の着物は着丈と裄(ゆき)が長めです。踊りは袖が重要な役目をすることが多いんです。例えば手先を袖の中に入れて口元を隠す所作などのとき、裄が長いと美しく見える。長時間、移動などで座っていると、裾が上がってくるので着丈も長め。あとは上前の先を少し上げて合わせると粋な感じに」(勘十郎さん) 「清潔感を心がけています。そして自分に合った着こなしも勉強中です」(紗也子さん) 「今の自分の目で似合うものを選んで、着こなしていけばいいと思う」(勘十郎さん)
日本舞踊の伝統を守りつつ、新しい風を取り込んでいく勘十郎さん。 「日本人が築き上げた美意識を次世代に繋げることは重要なことです。そのうえで新しい試みも行いたい。たくさんの方に着物や日本舞踊に触れて楽しんでほしいですね。ダンスと違う魅力があると思います」
八世 藤間勘十郎 さん ふじま・かんじゅうろう 日本舞踊家 2002年に八世藤間勘十郎を襲名。2003年、芸術選奨文部科学大臣賞新人賞を受賞。伝統文化、芸能を新しい形で表現する試みを「苫舟(とまぶね)」の名前で手がけている。 8月27日(火)、大阪・国立文楽劇場にて、『藤間康詞(みちのり)名披露目舞踊公演』および『藤間勘十郎舞踊公演』を開催予定。(問)mail:kanjurou.soke@gmail.com
撮影・青木和義 ヘア&メイク・桂木紗都美(勘十郎さんヘアメイク、紗也子さんメイク) 着付け・小田桐はるみ(紗也子さん) 文・大澤はつ江
『クロワッサン』1122号より
クロワッサン オンライン