スズキの初代アルトが「歴史遺産車」に 1979年発売 経済性と機能性、軽自動車の地位確立
スズキは6日、1979年に発売した軽自動車の初代の「アルト」が、歴史に功績を残した名車を顕彰するNPO法人日本自動車殿堂の「歴史遺産車」に選定されたと発表した。暮らしに役立ち、優れた経済性を持ったアルトの発売は、「当時低迷していた軽自動車市場を復活させ、今日の軽の地位を確固たるものにした」と評価された。 初代アルトは、女性ドライバーらを照準に、運転のしやすさや使い勝手の良さ、経済性を兼ね備えた車を目指して開発した。無駄や飾りを省き、部品点数の削減や工程合理化などを進め、「全国一律47万円」という常識を打ち破る価格設定で大ヒットした。現行の9代にわたるまで45年、スズキのものづくりの根幹「小少軽短美(しょうしょうけいたんび)」を追求し、機能や性能の進化を続けた。 10月末時点の国内累計販売は約537万台(アルト乗用車、商用車の届け出台数)。現在までの世界累計販売台数は約1525万台に上る。 同社は7月に開いた技術戦略説明会で、脱炭素に向けた小型軽量の車体造りの姿として、アルトなど同社現行車両の安全性を向上した上で、100キロ程度の軽量化に挑戦する方針を掲げた。鈴木俊宏社長は「『経済的で機能的』というアルトの本質は初代から変わらずに脈々と受け継がれている。今後もアルトらしい進化に期待していただきたい」とコメントした。 スズキ製品の選定は、「スズライト」(2008年)、初代の「ジムニー」(20年)「GSX1100Sカタナ」「GSX750S」に続き4回目。
静岡新聞社