[MOM1015]新潟医療福祉大FW吉田晃盛(3年)_北信越の得点王がインカレ2戦連発、決定力に隠された“冷静な予測”
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [12.16 インカレ決勝ラウンド第2節 新潟医療福祉大 1-0 桐蔭横浜大 J-GREEN堺メインフィールド] 【写真】「プリンセスすぎる」「激かわ」なでしこ清水梨紗がディズニーへ 進路につなげる2試合連続ゴールとなった。新潟医療福祉大FW吉田晃盛(3年=九州国際大付高)はチームに2連勝をもたらす決勝ゴール。「この大会でスカウトの方にアピールをして目に留めてもらう。大臣杯もあまりよくなかったので、ここで見返す」とインカレに懸ける思いを語った。 安定した守備を誇る新潟医福大が求めていたのはゴール。スコアレスで迎えた後半25分、その瞬間はやってきた。中盤のFKでDF白石蓮(1年=尚志高)がボールを蹴る。一時はクリアされると、PA左手前でボールを収めたMF松本天夢(4年=高崎経済大附高/長崎内定)に守備陣の意識が向かった。 「相手がボールウォッチャーになっているなかで、ファーが一番空くと思っていた。マークはいたけど自分より小さい選手。チャンスだと思っていたので、上からいい感じに叩けた」。松本が蹴り上げたクロスを、PA右の吉田が頭で合わせ、決勝点をゴールに押し込んだ。 九州国際大付高時代にはプリンスリーグ九州得点ランク2位の10得点を挙げ、北信越大学リーグでは18得点で今季得点王に輝いた。ゴールへの嗅覚や優れたボディバランスはもちろんのこと、他選手と差を生み出すために“予測”を意識し続けている。 決勝点の場面を振り返る。白石のFKがクリアされた瞬間、他の選手がボールの行方を見上げながらボール方向に体を進めている一方で、吉田は一人だけファーサイドに移動した。PA左手前で松本がボールを収めると、ノーマークでゴール前に詰められるように助走体勢。クロスが上がるとボールの落下点を見据え、余裕をもってシュートに向かっていた。 「自分が大事にしていることは予測。味方が裏に蹴りそうだとか、今日の得点も天夢くんがボールを入れそうだったからファーで待って準備していた。この後どうなるか予測をすること。みんなが考えていないときに考えて、あとは練習してきたことを生かせるかどうかなので。全国の舞台では特に予測が大事だと思う」 チームとしては悲願の優勝を目指すなか、個人ではプロへのアピールを狙う。ひとつの目標は、大会終了後にプロのチームから練習参加のオファーが来ることだ。 「目をつけていただいているだけで終わっているので。そこから練習参加、契約まで持っていきたい。ただ目につく選手というだけで終わっていたらダメ。その先につなげられるところまで自分の個を磨きたい」。最大のアピールは得点。予選ラウンドでは不発に終わったが、「(決勝ラウンドまで)一週間あったので気持ちを切り替えた」。14日の初戦・中京大戦(○2-1)に続き、今節も2試合連続ゴールで今大会2点目を挙げた。 決勝まで進めば残り4試合。「毎試合1得点する。目標は得点王、それだけです」。チームの悲願とともに、自らの野心も熱く燃やし続けている。