「国民年金と厚生年金」働き方ごとの受給額をシミュレーション

国民年金と厚生年金は、現役世代の賃金や物価の伸びに応じて毎年支給額が見直されます。 2024年度の年金額は、前年度と比べて2.7％増額されました。 2024年度の国民年金の満額は月額6万8000円、厚生年金の標準的な夫婦が受け取る合計金額は月額23万483円となりました。 「標準的な夫婦」とは、夫婦のうち一方が平均的な収入（月額43万9000円、賞与含む）を得て40年間働き、他方を扶養する場合を想定しています。この場合、「老齢厚生年金と二人分の老齢基礎年金（満額）」を受け取ることになります。 65歳以上・無職夫婦が得る「社会保障給付（主に年金）」の月額平均21万8441円と比べると、標準的な夫婦が受け取る年金額の方がおよそ1万円程度多くなります。 しかし、65歳以上・無職夫婦の家計で毎月約4万円の赤字が発生することを考慮した場合、やや心もとなく感じる方もいるのではないでしょうか。 厚生年金の受給額は働き方次第で大きく個人差が出るため、厚生労働省が「年金部会」で提示したいくつかのモデルケースの中から、自分に最も近いものを選んでチェックしておきましょう。 ●【単身世帯】月額報酬に対して受け取れる年金額の例 　・報酬54万9000円:18万6104円 　・報酬43万9000円:16万2483円 　・報酬32万9000円:13万8862円 　・報酬37万4000円:14万8617円 　・報酬30万000円:13万2494円 　・報酬22万5000円:11万6370円 　・報酬14万2000円:9万8484円 ●【夫婦世帯】月額報酬に対して受け取れる年金額の例 　・夫が報酬54万9000円+妻が報酬37万4000円:33万4721円 　・夫が報酬43万9000円+妻が報酬30万円:29万4977円 　・夫が報酬32万9000円+妻が報酬22万5000円:25万5232円 　・夫が報酬54万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:28万4588円 　・夫が報酬43万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:26万967円 　・夫が報酬32万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:23万7346円 　・妻が報酬37万4000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:24万7101円 　・妻が報酬30万円+夫が短時間労働者の平均的な収入:23万978円 　・妻が報酬22万5000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:21万4854円 　・夫婦ともに短時間労働者だった場合の平均的な収入:19万6968円 　・夫が報酬54万9000円+妻が国民年金のみ加入:25万4104円 　・夫が報酬43万9000円+妻が国民年金のみ加入:23万483円 　・夫が報酬32万9000円+妻が国民年金のみ加入:20万6862円 　・妻が報酬37万4000円+夫が国民年金のみ加入:21万6617円 　・妻が報酬30万円+夫が国民年金のみ加入:20万494円 　・妻が報酬22万5000円+夫が国民年金のみ加入:18万4370円 年金の受給額には、世帯ごとの幅が非常に大きいことが分かります。自分が貰える年金額についてもっと詳しく知りたいという方は、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」も確認すると良いでしょう。