モーガン・プラスシックス 詳細データテスト 操縦性はクラシックとモダンの中庸 侮りがたい動力性能
使い勝手 ★★★★★★☆☆☆☆
■インフォテインメント モーガンにインフォテインとメントシステムなど、望むところではない。このキャビンに、タッチ式ディスプレイなどは無用だ。しかし2023年の改良で、オプションにゼンハイザー製オーディオシステムが加わった。その価格は2995ポンド(約57万円)、ベーシックなBluetoothスピーカーシステムが395ポンド(約7.5万円)。標準装備のスピーカーは存在しない。 スピーカーは、ドアとシート背後の積載スペースにふたつずつ。ダッシュボードに3つ、コンパートメントパネル下部に低音用がひとつだ。 問題は、いかにいいオーディオを搭載しても、常に風切り音の前には劣勢になってしまうということ。低速のうちは音楽を楽しめるが、高速道路などでは聞き取るのが精一杯だ。 Bluetoothの接続はシンプルで信頼性が高い。音量調整がダッシュボード下に隠れているのはちょっとおかしな感じだが、機能面に不足はない。 ■燈火類 LEDヘッドライトはかなりパワフルで、自動機能は文句なく作動する。 ■ステアリングとペダル ペダル配置の計測はできなかったが、感覚的には自然だった。スロットルペダルはオルガンタイプ、ブレーキペダルは吊り下げ式だ。ナローで3ペダルのプラスフォーとは異なり、まともなフットレストもある。
操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆
プラスシックスはラグジュアリーなケータハムのようなものに見えるかもしれないが、乗るとまったくの別物だ。地面と後輪に近い着座位置や、前輪が遥か遠くにある感覚のような、ライトウェイトスポーツカーの雄との共通項もある。 しかしながら、電動パワーステアリングやケータハムより剛性の緩いシャシー、フェザー級というほど軽くはないウェイトを備えるプラスシックスは、精確さやフィードバックで同じレベルになりようがない。ロードスターとしては、クラシックモデルと最新モデルの中間といったところだが、モーガンとしては悪くない立ち位置だ。 最新の基準からすれば、ほどよい重さのステアリングはスポーツカーとしてはスローで、フィードバックが炸裂するというものではないが、必要十分といったところ。必ずしもモーガンが常にそうだったというわけではないが、レスポンスはリニアだ。多少の慣れは必要だが、なじんでしまえば、自信を持ってペースを上げることができるるはずだ。 ちなみに、プラスフォーに乗ったことのあるテスターは、より軽いフロントによりステアリングはより気持ちいいものとなり、手応えの増し方は自然で、レスポンスの遅れも少なかったと口を揃える。 スプリングはとくに硬いわけではないので、バンピーな道でもサスペンションのトラベルを使い切ることなく駆け抜ける。大径ホイールとシャシーの多少のしなりが相まって、わずかながら乗り心地を硬くしている点は、プラスフォーより強く感じられる。