ブライアン・イーノの名言「アーティストであることの意味は、…」【本と名言365】
日本では1976年の創刊当初からブライアン・イーノを取り上げていた雑誌『ロック・マガジン』に掲載された79年のインタビューでは、ジョン・ケージの本がきっかけで、東洋の文化や思想に眼を向けはじめたことを語っている。 「彼の本を読んだけれど、禅の指導と彼の音楽的方向性が驚くほど近いものだった。私を感動させたのは、音楽はこのような方向のリハーサルの為の技術だということばだった」 「アーティストであることの意味は、物事の挑戦にあると思う。そして、それらが(個人の)実生活にいかに関係しているかを明らかにすることにも」 表現と実生活、個人と社会、非物質と物質。それらが地続きであることの重要性を語るイーノにとって、当時すでに近代音楽の形式は解体され、音楽が世界を媒介して共鳴するその先の未来に可能性を見ていたことがわかる。
ブライアン・イーノ
ミュージシャン、作曲家、プロデューサー。1948年生まれ。1978年にアルバム『Ambient 1: Music for Airports』を発表して「アンビエント音楽」を提唱。音楽活動と並行して、光や映像を使ったヴィジュアルアートのアーティストとしても活躍、世界各国で展覧会を開催。テクノロジー技術も積極的に取り入れ、iPhone登場時からシステムによって自動生成される音楽をユーザーが手軽に楽しめるフォーマットを提供するアプリ開発も行っている。約50年にわたる創作活動に迫ったドキュメンタリー映画『Eno』(2024)のオリジナルサウンドトラックが現在好評発売中。
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