やっぱり永遠はないじゃないですか――EXILE HIROが語るコロナ禍334公演中止の乗り越え方、そして「引き際」
2020年はコロナ禍で334公演を中止したが、「現状の危機を乗り越える自信はあります」と語るLDH JAPAN会長のEXILE HIRO(51)。2021年からのライブ再開に加えて、5年後までのスケジュールを想定済みだという。そんなエネルギッシュな男も50代に入った。EXILE ATSUSHIの卒業が発表された今、「自分がいなくなっても大丈夫なLDHを作る」と笑うHIROの「引き際」とは。(取材・文:宗像明将/撮影:吉場正和/Yahoo!ニュース 特集編集部)
何年も続いたら、この規模を回していくのは難しい
2020年2月26日、EXILEは京セラドーム大阪での公演を急遽中止した。新型コロナウイルス感染症「COVID-19」の感染拡大を受け、政府から大規模イベントの開催自粛要請が出されたためだ。2020年を「LDH PERFECT YEAR 2020」と題した祭典の一年に位置づけていたLDHだが、その日を境に、所属するEXILE、三代目 J SOUL BROTHERSなどの公演を中止せざるをえなくなった。その本数は、公表されているだけで168公演にものぼる。 さらに、LDHを率いるEXILE HIROは、発表前のライブを含めると、倍近い公演が中止になっていると明かす。 「年内に準備をしていてやむをえず中止したのは、発表されていない公演も含め、334公演です。LDHの興行は準備を徹底し、すごく丁寧につくるので、今後のスケジュールを正確に組めない状況では成立させることが難しく、中止する判断に至りました。ファンの皆さん、スタッフの皆さん、所属のみんなの安全を第一に考えると仕方のない決断だったと思います」
2003年に設立されたLDHは、日本のエンタメ業界のベンチャー企業の筆頭格である。しかし、経営面での危機感をHIROは隠さない。 「今まで積み重ねてきたものもあるので、何かあっても現状の危機を乗り越える自信はあります。でも、これが何年も続いたら、さすがにこの規模を回していくのは難しい、という危機感もあります。ちょっと面白おかしく『本当にヤバイかもよ』みたいにわざと危機感を演出してメンバーに言うことはありますけど(笑)、それは同志としてメンバーを見て、現状をわかち合うような感覚です。そこは格好つけないで正直に現状を伝え、全員が危機感を共有することで、今、取り組むべきことに最善を尽くしていく姿勢、雰囲気をつくっています。このチームワークがあるからこそ、どんな状況になってもLDHのエンタテインメントを様々な形でファンの皆さんにお届けできていると思っています」