「悪質!」なんて思ったら助けてくれてた可能性も! 故意かうっかりか「トラックの幅寄せ」をくらった乗用車ドライバーはどうすべき?
幅寄せされたら加速して離れるか道を譲ったほうがいい
スピルバーグ監督の長編デビュー作「激突」は、不気味なトラックにずっと追いかけられるという悪夢のような映画でした。が、現実の世界だって身の毛もよだつ経験をすること少なくありません。 【画像】旧車を運ぶトラック旧車がカッコよすぎた たとえば、トラックの幅寄せ行為というのも相当に怖いものですが、クルマに乗っていれば誰しも1度は遭遇したことがあるのではないでしょうか。慌てることなく安全に対応できればいいのですが、その場を切り抜けても心臓はバクバクするし、腹の虫だって収まらないもの。 さて、どうしたらいいのでしょうか。 トラックに幅寄せをされると、自分が乗っているクルマによっては想像以上の恐怖感があるものです。たとえば、ケータハム・スーパーセブンのように車高が低く、しかもドライバーの生身が晒されているようなクルマであれば「三途の川が見える」ほどの恐怖感。あるいは、軽自動車、それもトールボーイ的な車体であればトラックが巻き起こす気流のせいでフラッフラしちゃうこともあるわけで、これまたヒヤリハットもの。 そうした場面では、パニックに陥ることなくステアリングをしっかり保持しつつ、アクセルから足を離すなり、必要に応じてブレーキを踏むなど危険車から離れることがキモ。 「そんなスペースないよ!」とお嘆きになるとしたら、ご自分の安全運転意識を再確認してみてはいかがでしょう。常に周囲の状況を察知して、いったんことあらば「あちらへ逃げる」「このスペースでやりすごす」あるいは「アクセル全開で前に逃げよう」などなど、頭のどこかでリスクマネジメントすることオススメです。
トラック協会に通報という手段も
危険回避をすることが最優先ではありますが、無事に切り抜けたとしても今度は腹が立って仕方ない、なんて思いもあるのではないでしょうか。あるいは、幅寄せなどの危険行為の再発防止にひと役買いたい! などと義憤に駆られる方もいるはずです。そんなときは迷わずトラック協会に通報しましょう。 トラック協会には、全国47都道府県に都道府県トラック協会という下部組織があります。各都道府県トラック協会には輸送相談所があり、トラックに関する要望や苦情、運賃問題などの相談を受け付けているそうです。ここに苦情フォームで送信したり、直接電話をかけて思いのたけを延々と語る方も少なくないのだとか。 とはいえ、協会側の対応を見ていると「当該事業者に事実確認をした後で社長と運行管理者からドライバーに対して再指導することとした」とか、「全運転者に対して再教育を要請した」といった内容で一定の効果はありそうだけどイマイチ釈然としませんね。 そこで、改めてトラックの幅寄せについて考えてみると、悪質な運転は論外ですが、じつはトラックドライバーが路上の危険をいち早く察知して、普通車ドライバーに幅寄せすることで知らせたなんてケースもあるのかと。 つまり、左車線を走るトラックドライバーが先に前方の事故車を発見し、追い越し車線を加速したままカーブに入ろうとする普通車に気付き、強引な幅寄せをして減速させている、なんて場面。レアケースかもしれませんが、この追い越し車線を走っている普通車がアナタだとしたらどんな風に感じるのでしょうかね。 いずれにしろ、怖い思いをしたくないなら、自らの安全運転意識を高めることと、幅寄せに遭遇してしまったら落ち着いて対応すること、そして、トラック協会に通報して事実確認&再発防止に貢献というのがセオリーかもしれません。 くれぐれも感情的になって寄せ返したり、煽ったりするのはダメ&無駄! それこそ、末路は「激突」よりも悲惨なことになりかねませんからね。
石橋 寛