池松壮亮、ロールス・ロイスに乗る(愛車の履歴書、後編)
愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第54回の番外。俳優の池松壮亮さんが、今、電気自動車に興味を持っているということで編集部が独自の視点でオススメのモデルをピックアップ。実際に見て、乗った! 後編では輸入車の電動モデルを紹介する。 【写真を見る】池松壮亮と4800万円のロールス・ロイスなど(12枚)
ロータスでEV初体験
俳優の池松壮亮さんの“愛車電動化計画”。前編ではハイブリッド車(ホンダNSX)、燃料電池自動車(トヨタ・クラウンFCEV)にチャレンジした。後編はBEV(バッテリー式電気自動車)で、まずはロータス「エレトレ」から。 「ものすごく格好いいですね」と、言いながらエレトレのドライバーズシートに座った池松さんは、「インテリアも未来的」と、驚きを隠しきれない様子だ。大型のタッチスクリーンが中央に鎮座し、スイッチやダイヤルの類がほとんど見当たらない室内は、確かに今までのクルマと違う。 それでもさすがにクルマ好きだけあって、簡単なコクピットドリルを受けると、何年も前から乗っていたかのように、エレトレをスタートさせた。 「僕、電気自動車に乗るのはこれが初めてなんです……。電気自動車初体験がロータスという人は、なかなかいないんでしょうね(笑)。加速感が力強いのにスムーズだし、カーブもとても軽快に曲がってくれて、楽しいです。サイズ感もちょうどいいし、これはとてもいいですね」 F1での活躍やライトウェイトスポーツカーで知られるロータスがプレミアムブランドへ移行しつつあることを伝えると、「なるほど」と、池松さんは納得した表情を見せる。デザインといい走行感覚といい、エッジの立ったこのクルマが気に入った様子だ。
別世界の超高級車
続いて、同じくBEVのロールス・ロイス・スペクターに乗り換える。天井を見上げた池松さんは、「えっ……」と、言葉を失った。満点の星がきらめく夜空をイメージして5000灯近くの光ファイバーを組み込んだ、スターライト・ヘッドライナーのもてなしに驚愕したのだ。 「外観もものすごいですけど、インテリアの豪華さも規格外ですね。さすがに、このクルマに自分が乗っているイメージは今のところ湧いてきません(笑)」 そう言いながらスタート、緊張の面持ちでステアリングホイールを握る池松さんの表情が緩むのに、それほどの時間はかからなかった。 「この乗り心地、極上ですね。クルマじゃないみたい、ヨットみたいです。ヨットに乗ったことないんですが(笑)、ゆったりと大海原を進んでいるような気持ちになります。インテリアの豪華さといい、静けさといい、乗り心地といい、外界とは別世界のようです。ロールス・ロイスの電気自動車もあるんですね……。自分が未だ体験したことがない、別世界があることを知りました。最高の思い出になりました」 4台の電動モデルの試乗を終えた池松さんは、ハイブリッド車、燃料電池車、そして電気自動車それぞれに、ポジティブな印象を持ったという。 「やっぱり、実際に乗ってみて味わえるものがたくさんありました。電気自動車の静かさや走りの滑らかさ、加速が素晴らしいことがよくわかりましたし、いっぽうでホンダNSXのエンジン音も好きでした。環境を考えた次のクルマを選ぶことが、とても楽しみになりました」