「自分たちだけでは、どうすることもできない」能登半島地震発生から10か月 石川県輪島市町野町出身のシナリオライターが見つめる“ふるさと”の今
11:21 大規模な浸水の動画が届く 14:02 水が引き、もとやスーパー、粟蔵地区の写真が届く 金沢気象台の発表によると、この日、最大1時間降水量は輪島市で121.0ミリ(9月21日)、珠洲市で84.5ミリ(9月21日)。輪島市で412.0ミリとなった月最大24時間降水量は、統計開始以来1位の記録となりました。 ■夜を徹した復旧作業 21日夜から22日未明にかけて、地元建設会社の刀祢建設のみなさまが、海沿いの曽々木地区方面から、県土木の建設業者の方々と自衛隊のみなさまが能登町側から町野町への啓開を進めてくださいました。 雨が続き、再度の土砂災害もある危険な状況のなか、町野町の孤立集落解消のために、懸命の復旧作業が進められたのです。 夜を徹しての復旧作業のおかげで、翌日から町野町への緊急車両と地元関係者車両の通行が可能となりました。 ■町野町の全域で甚大な被害 奥能登豪雨の影響で、町野町は河川の氾濫、堤防の決壊のみならず、地震の復旧作業が行われていた道路の崩壊や土砂崩れによる被害、土石流による家屋の流出など、甚大な被害に見舞われました。 地震による倒壊でも甚大な被害を受けましたが、水害や土砂崩れ、土石流による被害はそれに追い打ちをかけるものでした。 できるだけ早く泥出しの作業を進めなければならないことはわかっていても、自分たちではどうすることも出来ないと、途方に暮れる人がほとんどでした。 水害の被害は、私の明治生まれの祖祖母の代に経験したという話が最後で、多くの方々にとってこれまでに経験のないものだったのです。 ■町野町唯一の「もとやスーパー」地震以降、はじめての休業 奥能登豪雨により、広域浸水区域となった「もとやスーパー」さんも例外ではありませんでした。 什器や商品が土砂とともに店内の奥にまで流され、約2mの床上浸水被害を受けたもとやスーパーさんは、能登半島地震以降、はじめて休業を余儀なくされます。 その後、発災後にX(旧・Twitter)に掲載された動画が、「町野町 撮影者:もとやスーパー」というキャプションで報道されたこともあり、もとやスーパーさんに縁のある方々や、報道を見た全国からたくさんのボランティアさんや支援団体の方が次々と支援に訪れることとなりました。