マツダ初の乗用車「R360クーペ」は軽自動車初のAT搭載! 360ccなのに大きなナンバープレートを装着している理由とは
マツダ初の乗用車「R360クーペ」
マツダ初の乗用車となった「R360クーペ」を紹介します。360ccの軽自動車なのに大きなナンバープレートが取り付けられているのはなぜなのでしょうか。オーナーにその謎を尋ねてみました。 【画像】スタイルもATも斬新だった! マツダ「R360クーペ」を見る(11枚)
スペーシーなデザインを採用した
2024年3月24日に大阪港湾部の築港赤レンガ倉庫脇にある広場で開催された「360だョ!全員集合 in OSAKA」の会場で発見したのは、会場でもかなり古い車両となるマツダの「R360クーペ」だ。丸みを帯びたボディスタイルは、同社のオート三輪のデザインモチーフを踏襲したものと言われているが、ボディはもちろん、大きく湾曲した窓は今見ても斬新で、スペーシーな雰囲気に大きく貢献している。 オーナーの浪江さんが所有しているのは、1964年式のデラックスグレードで、トルクドライブと呼ばれる非常に珍しいオートマチックトランスミッション仕様車だ。ちなみにオートマチックの設定は軽自動車ではこのR360クーペが初の車両となる。ボディ形状も含めていかに斬新な車両だったかがわかるはずだ。
ボディやエンジンを徹底的に軽量化
ボディはモノコック構造で、サイドウインドウやリアウインドウはアクリルを使用し、ボンネットには軽合金を採用するなど、各部徹底した軽量化が計られている。これにより車両重量はなんと380kgという当時の国産車で最軽量を達成している。 エンジンは軽乗用車としては初となる4ストローク空冷V型2気筒を縦置きに搭載したRRレイアウト。エンジンはオート三輪の「K360」用をベースとしながらも、アルミ合金やマグネシウム合金などを積極的に採用することで軽量化しつつ、優れた耐久性と燃費を実現した。前述の通りこの車両は珍しいトルクコンバーター式の2速自動変速仕様車となる。これは当時身体障害者でも運転が容易になると画期的な仕組みだったようで、一般的なマニュアル仕様車が1966年に生産終了したのちも、AT仕様車のみ1969年まで受注生産されることとなるのだ。