「与えられた台本で演じるのが新鮮」ネルソンズの青山フォール勝ちが俳優活動で感じたこと
●コンビ解散を経て、ネルソンズを結成
――そんな和田さんとのコンビ・ワダヤマブルーとして活動は? 養成所のときは、めちゃくちゃなことをやっていた割には生徒のみんなに受けていて、かなり調子が良かったんですよ。でも、卒業して、実際にお客さんの前でネタをやると、まったく受けない。ネタが荒かったんでしょうけど、そこで和田といろいろ揉めて、仲が悪くなるんです。 それで、卒業から1年経たずにワダヤマブルーは解散してしまい、お互いに別のコンビでやることになりました。 ――その後、岸健之助さんが加入し、10年4月にネルソンズを結成する経緯は? 周りの同期が「絶対に和田と再結成した方がいい!」と後押ししてくれて、和田と1年ぶりに会話するんですが、和田が「ツッコミを入れた3人でやり直したい」と言い出したんです。それで同期から岸を紹介されたんですが、3人とも上手くいっていなかったこともあって、「じゃあ、3人でやりますか……」という流れで始まったのが、ネルソンズ。でも、そこから売れるまでの時間は、かなりかかりましたね。 ――そんなネルソンズが転機を迎えた出来事は? 和田が坊主にしたことで、キャラが確立して、お客さんに受けるようになったこと。あとは16年の「おもしろ荘」で優勝したときですかね。でも、「これで売れる!」と思ったら、すぐには売れなかったんですよ。 とはいえ、だんだん名前が広まっていって、ネタ番組に呼ばれるようになったんです。それで、17年には「NHK新人お笑い大賞」とか、いろんなコンテストで準優勝を獲れるレベルにまでなりました。
●与えられた台本で演じることが新鮮
――その一方で、青山さん自身の俳優業に対する憧れは? 常に目立ちたい気持ちもありましたし、お笑いも俳優もやっている原田泰造さんや岡村(隆史)さんがカッコ良くて憧れていたんですよ。映画もTVドラマもよく観ていましたし、いつもコントをやっているので、「演技する」っていうことは単純に好きでしたし。 だから、最初に『いざなぎ暮れた。』という映画の出演が決まったときは嬉しかったですし、現場も楽しかったですね。あと、いつもは自分で台本を書いて、演じているので、他人から与えられた台本で演じることが、とにかく新鮮だったんです。 ――古川琴音さん演じる三女の恋人・タカヒロ役を演じた『お母さんが一緒』の出演経緯は? 最近は事務所から俳優オーディションの話も来ないし、「芸人として、ネタの方に集中しようかな?」って思っていたタイミングで、今回のお話が来たんです。 しかも、橋口(亮輔)監督からの指名だったうえ、恋人役の古川琴音さん、彼女のお姉さん役の江口のりこさん、内田慈さんといった3人の女優さんとの共演じゃないですか! 嬉しかったですし、かなり驚きましたよ。 そして、台本を読んだら、セリフも多いし、「これは只事じゃないぞ」って(笑)。 ――そこで役作りは、どのようにされたのですか? 最初の稽古のときに、女優さんたちが台本持たずにやられていたので、「これはやばい!」って思って、そこから2週間ぐらいセリフを全部いれるだけでなく、役のタカヒロのことばかり考えていましたね。仕事の合間も、すっと台本読んでいたので、ほかの芸人から「俳優やってるって自慢してるよ」とイジられるぐらい……(笑)。 ただ、タカヒロは自分にないキャラクターではなかったですし、橋口監督からも「普通に青山くんでやっていいよ」って言ってもらったので、そこに関してはナチュラルにやらせてもらいました。ただ、長崎弁に関しては、めっちゃしんどかったです!