【宏太’Sチェック】足りない部分をしっかり整理すればJ1札幌の残留は十分可能
◇明治安田J1リーグ 第19節 横浜FM1-0札幌(23日・札幌ドーム) 横浜FM戦は試合の入りも良く、チャンスもつくれていた。DFも抜け出されそうになってもギリギリで体を投げうって止めていたし、菅野のスーパーセーブもあった。敗れはしたが内容的には評価できるものだった。 サイドからのビルドアップが効果的だった。自信を持ってつなぎながら、相手を動かす攻撃が意図的にできていたことで、バイタルをうまく使い、シャドーにいいボールが入っていた。無得点には終わったが、武蔵にゴールの気配が感じられた。まだシュートかそうでないかの判断がしきれていないが、点が取れてない時はそうなりがち。心と体がもっとマッチしてくれば、得点は取れてくる。 前半戦は最下位で終わったが、マリノス戦のような試合をスタンダードにできるようになれば心配はない。ミシャのサッカーはノーガードで打ち合うというイメージがありがちだが、基本的にはタイトに守ってから攻撃に転じるスタイル。これまでのように簡単に相手に抜かれては勢いづけてしまうが、高尾らが見せた1対1の強さを出せば、まだまだチャンスはある。 後半戦に向けてけが人の復帰が重要になるが、戻ってくる時は万全にして、再離脱は避けてほしい。戦術的にはボランチからの前への供給力が少し弱いなと感じているので、パスを出せる田中克幸を使って守備はもう1人に任せるくらい思い切ってもいい。能力の高い大崎選手も加入し、選手の起用法も多くが変わるだろうが、大事なのは右サイドの近藤の使い方など、うまくいっていることはより精度を上げ、足りない部分は何かをしっかり整理すること。そうすれば残留は十分に可能だ。 (吉原 宏太、1996~99年札幌FW)
報知新聞社