共通点は“二刀流”? 松田元太、八木勇征、金城碧海ら、夏ドラマで輝く次世代スターたち
ドラマ『ビリオン×スクール』(フジテレビ系)でやんちゃな高校生を演じているTravis Japanの松田元太。音楽アーティストとして世界的に活躍する一方、視聴者を惹きつける演技力を持った“表現者”として魅了している。 【写真】『南くんが恋人!?』で“南くん”を演じる八木勇征 財閥系企業のトップである加賀美零(山田涼介)が教師として高校に潜入し、「やる気ゼロ、才能ゼロ、将来性ゼロ」の0組の担任を受け持つことになる『ビリオン×スクール』で松田が演じるのは、0組のスクールカースト上位グループに属する紺野直斗だ。メッシュの入った長髪が特徴的な直斗は、偏差値番付でも最下層。また、松田と同じく直斗も九九が大の苦手で、松田本人ともかなりリンクしている役柄と言える。 しかしそんな直斗も好んでカースト上位の生徒たちと仲良くしているのではないことが明らかになった。今までのストーリーを振り返っても、確かにグループにいることを本気で楽しんでいるようには見えなかった。 梅野ひめ香(上坂樹里)へのいじめに焦点が当てられた第2話では、グループの中心的存在の城島佑(奥野壮)と校長の一人娘・東堂雪美(大原梓)が、ひめ香に「おもろいことやれよ」と言うシーンがある。その場にいた直斗は雪美に「お手本見せあげたら?」と言われ、嫌々ながらもマイケル・ジャクソンのモノマネを披露。その表情には“嫌だけどやるしかない”といった気持ちが滲み出ており、ひと笑い取れたことへの安堵と脅えが入り混じった表情を見せていた。 第3話では、直斗や佑、雪美のいるカースト上位グループがいじめ事件のせいで停学になる。そして直斗は、腹いせとして加賀美を陥れようとする佑に命令され、一人学校に向かうが、クラスの数人と映画を撮っている鈴木司(柏木悠)を見て、その生き生きとした姿に目を奪われる。かつて映画部に所属していた直斗は、やりたいことよりも学校での地位を優先し部活を辞めたが、自分を見失っていたのだ。第1話から一瞬のシーンでも不安げな表情を見せていた直斗の伏線が回収されたようなストーリーであり、主張しすぎないが、しっかり印象を残す松田の表現力を再確認できた。 松田の演技力と言えば、家庭教師をしている人妻と危険な関係になる耕二を演じた『東京タワー』(テレビ朝日系)が記憶に新しい。主人公・透(永瀬廉)の同級生で、同じ大学の彼女もいたが、透が年上女性に惹かれていく様子を見て自身も年上に興味を持つようになる。どこにでもいそうな元気な大学生というキャラクターだが、大人になる過程で抱く愛への探求心や、友人に感じる闘争心などが体現されていた。 少しやんちゃなキャラクターのイメージも強いが、徴税吏員としての立場に悩む『ゼイチョー~「払えない」にはワケがある~』(日本テレビ系)や、AIみたいだと言われるほど不器用な会社員として、大原櫻子との甘い恋愛模様を見せた『結婚予定日』(MBS)では実直な役柄を務めた松田。『ビリオン×スクール』や『東京タワー』と同じ人だったのかと思わされるほど自然な演じ分けだった。また、映画『君が落とした青空』の中ではクラスの中心にいるような爽やかな青年として存在しており、俳優として居る時はアイドルであることを感じさせない、役としての自然な姿が魅力的だと改めて感じさせられた。