デジタル性暴力とは?若者の4人に1人が小児性被害の経験者の時代にできること #令和の子
若者の4人にひとりが小児性被害の経験者と言われる現代。特にスマホやパソコンを通じた性犯罪の被害が10代~20代の間で年々増加しており、子どもの有無にかかわらず、社会全体で取り組むべき問題となっています。Xフォロワー14万人の医療インフルエンサー「ふらいと先生」こと現役小児科医の今西洋介先生に、著書『みんなで守る子ども性被害』の中から、近年急激に深刻化しているという「デジタル性暴力」の実態や、子どもが性被害にあわないためにできることを教えていただきました。 正しく知りたい!性の悩み・ギモン(画像)
Q1:「デジタル性暴力」とは?
A1:スマホやパソコンなどの電子機器を用いて行われる性暴力のことです。 今西先生:性暴力というと、まずレイプや痴漢を含む強制的なわいせつ行為といったものを思い浮かべる人が多いと思いますが、「同意のない性的言動」すべてが性暴力であり、たとえ身体的な接触がなくとも、卑猥なことを言われる・言わされる、AVや性行為を見せられるなども性暴力です。なかでも「デジタル性暴力」の被害は、若年層を中心に年々増加・多様化しています。
Q2:知らない人とやり取りしなければデジタル性暴力にあわない?
A2:性暴力の加害者は、被害者の「知り合い」が圧倒的多数です。 今西先生:性暴力は、家族や親族・元交際相手など、被害者にとって身近な人が加害者である場合が非常に多い犯罪です。デジタル性暴力も同様で、大きく分けて以下の5種類があります。 ・オンライン性的勧誘......「下着姿の写真を送って」など、写真や動画を送るように要求すること。 ・グルーミング......「毛づくろい」を意味する単語で、16歳未満の者に性的な目的で接触すること。 ・画像ベースの性的加害......性的な画像や動画を見せること。性教育という名目でAVや性器の写真を見せるのもNG。 ・児童性的虐待の映像・マンガ作成......性的虐待に相当する内容の動画や漫画を作成すること。 ・セクストーション......sex+extortion(脅迫)の造語で、性的な写真や動画をネタに「〇〇しないとInstagramで画像を拡散する」 などと脅すこと。「リベンジポルノ」もこの一形態。 実際に、元交際相手によるセクストーションから殺人事件にまで発展したケースもあり、SNS上で知り合う相手だけを警戒すればよいというのは危険な思い込みです。