大規模ストライキに拡大も カナダの港湾で労働組合が残業を拒否
カナダ東部モントリオール港の労働組合モントリオール港湾労働組合(カナダ地方公務員労働組合〈CUPE〉375支部)は7日、10日から無期限で残業を拒否することを使用者団体MEA(海運雇用者協会)に対して通知した。モントリオール港では、昨年末に労働協約が期限切れを迎え、更新されていない。労働組合は9月末から部分的ストライキを実施しているが、雇用者側との交渉が進まないことから、大規模ストライキに拡大する可能性も出ているようだ。 MEAは組合に対して「残業の完全拒否は必要な荷役作業に甚大な影響を与える」として7日、即時撤回を求めた。 モントリオール港湾局によると、9月30日の部分ストにより、5隻の沖待ちと、コンテナ1万1549TEUの荷役遅延が発生したという。組合の残業拒否については、「ターミナルは通常通り稼働しているが、10日から貨物の処理が遅れ、荷役待ちのコンテナが積み上がる可能性がある」と利用者に説明している。 モントリオール港はバンクーバーに次ぐカナダ2位のコンテナ港。同国東部のコンテナ港としては最大で、2023年には約150万TEUを取り扱った。