「日本の道しるべ」となり得るオランダ盛衰の歴史 没落の原因、英蘭戦争に学べ 中国海軍に対抗し得る防衛力整備が急務
《オランダが英蘭戦争を避けられなかった大きな原因の一つは、自分の安全のための同盟は欲しいが、国際政治における政治的コミットメントをしまいとして逃げ回ったことにある》(『繁栄と衰退と』)
まるで現代の日本のことを言われているのかと勘違いするほどだ。現代日本の姿は、17世紀のオランダのコピーといえよう。
オランダの盛衰の歴史は、これからの「日本の道しるべ」なのである。
■井上和彦(いのうえ・かずひこ) 軍事ジャーナリスト。1963年、滋賀県生まれ。法政大学卒。軍事・安全保障・外交問題などをテーマに、テレビ番組のキャスターやコメンテーターを務める。産経新聞「正論」執筆メンバー。フジサンケイグループ第17回「正論新風賞」、第6回「アパ日本再興大賞」を受賞。著書・共著に『日本が戦ってくれて感謝しています』(産経新聞出版)、『封印された「日本軍戦勝史」』(産経NF文庫)、『歪められた真実~昭和の大戦(大東亜戦争)』(ワック)、『今こそ、日台「同盟」宣言!』(ビジネス社)など多数。