【こどもを守る】路面に様々な工夫「ゾーン30プラス」“物理的な対策”で通学路を安全に
子どもが被害にあう交通事故が後を絶ちません。約23%が登下校時に起きています。通学路の事故から子どもを守るためのさまざまな対策を取材しました。 【動画】子どもを交通事故の被害から守る「物理的な対策」とは? 日没の時間が早くなってくるこの季節。 午後5時から午後7時までの時間は、車と歩行者との事故が増えることから“魔の時間”と呼ばれています。 特に危険なのは、車同士がすれ違うタイミング。 “魔の時間”の暗さを再現して行った実験では、ライトをつけた対向車の前を歩行者に歩いてもらいました。 すると、対向車と自分の車が照らすライトが重なることで、一瞬、歩行者の姿が見えなくなってしまうことが分かりました。 「非常に見えづらくなってくるのが1番。ドライバーとしては見えなくなるものが歩行者や自転車で、高齢者や子どもとの事故が多くなってくる」(JAF 愛知支部 吉田英治さん) 特に、周囲への安全確認がおろそかになりがちな子どもは、注意が必要です。 愛知県警によりますと、15歳以下の子どもが被害にあう交通事故のうち約23%が「通学時」の事故なんです。 2021年、千葉県で下校中の小学生の列にトラックが突っ込み、5人が死傷する事故が起きました。
歩行者専用道路でも車が続々と
その後も子どもが巻き込まれる事故が後を絶たず、9月30日、名古屋市中村区で警察官が小学校の通学路の見守りを行いました。 実は、この道路は、時間帯によって通行制限がかけられているんです。 「標識があるがここは通学路で、午前7時半から8時半は、小学校の東側が歩行者専用道路になる。ただここが車の堤防道路から大きな幹線道路への抜け道として使われている」(中村警察署 交通課 森本正樹 課長) この場所に定点カメラを設置し、1時間、観察しました。 「歩行者専用道路の時間ですが、車が通り抜けていきます」(記者) 本来は、歩行者専用の時間帯にも関わらず、車が進入し、速度を落とさずに直進していきます。 「なかなかのスピードで通る車もあるので、危ないなというのは見かける」(近所の人) 「堤防から降りてくる道なので、降りてくる人がいると思う。学校の近くで子どもが歩いていると、ドライバーに分かってもらうといいなと思います」(小学校に通う子どもの保護者) この日は、8台の車や原付バイクが通っていきました。 「通学路は決まった時間に大勢の人がまとまって来るので、運転手は高い注意力をもって、子どもはどのような行動をするか分からないし、大人と違って飛び出す可能性もあるので、注意が必要だと思っています」(森本課長)