マーケティングは生成AIでどう変わる? ソフトバンクのAIエンジニアが語る、ビジネス活用の最前線
現在ソフトバンクでは、Zoom会議の文字起こしデータから自動で議事録を作成するローコードツールの開発を進めているという。会議に出席して録画さえしておけば、メールで勝手に議事録が届くという時代が、すぐそこまで来ている。
一方で、「生成AIが現場に定着しにくい」というケースも一部存在する、と鈴木氏は語る。現場の主体性が伴わない場合、受け身の姿勢となり、利用率が右肩下がりに落ちていく。
┌────────── 生成AI活用を成功させる鍵は、生成AIが身近となる風土を育むこと。現場目線のアイデアを出してもらうなど、主体的なマインドを作ることが大切です。もちろん、環境を提供するだけでなく、理解・活用促進までのフォローが重要。勉強コンテンツの発信や社内コンテストの実施など、生成AIが根付くまでの全体の流れを設計することが、成功の鍵です(鈴木氏) └──────────
実際にソフトバンクでは、ChatGPTに特化した研修や生成AI活用コンテストなどの施策の結果として、生成AI利用率は約3倍に、1人あたりの累計質問数は約5倍に急上昇したという。
これまで生成AIは、使える一部の人間に業務が集中する「中央集権」型になっていた。しかし、誰もが生成AIを使えるようになることで、「自律分散」型になるという。AI部門の担当者が現場社員にスキルを伝播することで、管理面でも自律分散型の組織へと移行していくのではないかと指摘する。 そして、生成AIの運用や推進、活用方法について、これまで管理者が現場社員に波及させていたが、今後は現場社員同士でコミュニケーションをとり、ノウハウを交換(ノウハウシェア)していくようになるのではないかと鈴木氏は語る。 ┌────────── 今後、AIの利用率がどんどん上がっていくにつれて、AIと人がほどよいバランスでミックスする必要があります。人が描いた道をAIが実現する時代、みなさん自身がどんな道を描くかが重要です(鈴木氏) └────────── 鈴木氏は、生成AIの導入を「歴史に残る転換点」と位置づけ、「このテクノロジーの進化、そしてマーケティング分野への浸透を、ぜひ楽しんでいただければと思います」と語り、セッションを締めくくった。