マーケティングは生成AIでどう変わる? ソフトバンクのAIエンジニアが語る、ビジネス活用の最前線
さらに、伊藤園では日本で初めてテレビCMにAIタレントを起用し大きな話題に。パルコでは、キャンペーンにおけるグラフィック、ムービー、ナレーション、音楽といったすべてを生成AIで制作。AI活用がクリエイティブな領域にも広がっていることを示した。
また、業務改善の他社事例も多い。三井住友海上火災保険では、社員向け生成AIチャットツール「MS-Assistant」に損害保険業務の専門的な照会応答機能を追加した。サトーでは「AI画像スキャン値付け」を導入し、AIによる商品判別からラベル発行までを自動化することで、ミス防止を実現した。
なお、他社の事例では、定量的な評価により「生成AI活用が有効である」と実証されている。例として、住友生命保険では元々1週間かかっていた企画書作成が1日に大幅短縮。野村證券ではAIボット導入により、FAQの対応体制が3名から1名に削減したという。
┌────────── ソフトバンクは生成AIを積極的に活用しており、弊社の全社員約2万人を対象にセキュアな生成AI環境の提供や、「プロンプト大会」の開催を行っています。このように、現場レベルでの活用を促進する取り組みを行っています(鈴木氏) └────────── その結果見えてきたのが、生成AIの「現場社員との親和性の高さ」だという。ポイントは以下の3点だ。 ・自然言語で使えるため、利用開始のハードルが低い ・業務活用にあたり専門知識やプログラミングが不要 ・業務内容を最も理解している現場社員からの活用アイデアが出やすい
また、具体的な活用事例としては、法人顧客向けの問い合わせ対応支援が紹介された。
┌────────── 自社データ連携前は20%ほどだった回答支援範囲が大幅に改善し、平均60分ほどかかっていた対応時間が10分ほどに削減できました(鈴木氏) └──────────