ロッテ里崎、涙の会見「夢を超えた16年」
2006年の第1回WBCでは、王ジャパンの代表メンバーとして世界一のトロフィーを手にした。正捕手として7試合に先発マスクをかぶり、22打数9安打で打率.409、1本塁打、5打点の活躍で、大会ベストナインに選ばれた。2008年には続けて北京五輪の星野ジャパンの代表メンバーにも選ばれている。 「キャッチャーというポジションは、一人だけ反対方向を向く。マウンドには松坂大輔がいて、上原さんがいた。上原さんは、こんなにコントロールがいいピッチャーが世界にいるのかと脅かされた。内野を見渡せば3冠王の松中さん、外野には世界のイチローさん。僕が邪魔をしちゃいけない、足を引っ張っちゃいけない、というプレッシャーは凄かったけれど、ロッテから8人も選ばれていたので、少し楽にもなった。監督は王さん、世界の王さんの元で野球ができるとは、夢には思わなかったけれど、今度は監督として王さんを世界の王さんにしたいという気持ちでプレーをした。WBCは一発勝負。ひとつ負けたら終わりというがけっぷちの中での戦いでプロとしてのメンタルが強くなったと思う」 入団した前年は、18連敗の日本ワースト記録を作るほど弱いチームだった。だが、この16年間で、2度の日本一を経験した。2010年には、シーズン3位から史上最大の下克上といわれたシリーズ制覇も成し遂げている。「常に勝つようなチームではなかった。そこでの2度の日本一は誇れると思う」。 1072試合に出場して通算、888安打、108本塁打、454打点。平均打率は・256。試合数からして捕逸19は極端に少ない。いかに体を張った全力プレーをしてきたかがわかる。「自分勝手にやってきた。誰にも負けたくないという気持ちだけで。キャッチャーは、一人だけみんなのほうを見ているポジション。僕が自信を持った姿勢を見せないとピッチャーもみんなを不安にさせる。心に弱さも不安もあったが、それは見せたくなかった。最高で最上の16年。夢の中にいるような16年だった」。