上田淳子さんも最初はびっくり! フランスで覚えた「キノコの最強の調理法」はこれ
調味料的に少し加えてコク出しに
そして、フランスで知ったもう一つのキノコ炒めが、「デュクセル」です。キノコ(本国流ならマッシュルームは必須。しめじ、椎茸を合わせても)に、フランスではエシャロットを使いますが玉ねぎで十分。 しっかり炒めるのは共通ですが、ポイントはなるべく細かいみじん切りにするということ。デュクセルはそのまま食べるものではなく、調味料的に、コクや旨み出しとして使うものだからです。 ハンバーグなどのひき肉生地や、オムレツの卵に混ぜたりしますが、中でもおすすめは、ソースに入れる使い方。少し加えるだけで味わいが深まり、なんともおいしい! ステーキの焼き汁が残ったフライパンに赤ワインを煮詰めてバター、塩・こしょうで仕上げたソースに、あるいはクリーム系の煮込みに。 ちなみに私はホワイトソースに加えます。 グラタンでもコロッケでも、牛乳だけのホワイトソースにぐっとコクが加わり、一口で秋の深まりを堪能できるはず。
和食では、だしと合わせて旨みの相乗効果を
一方日本料理では、キノコは炒めるよりも煮る方が主流。汁物やあんかけ の具にしたり、さっと酒炒りにして和え物にしたり。和食で使うかつおや昆 布のだし、酒やみりんといったアミノ酸と、キノコから出る旨みが重なり合い、相乗効果で料理をよりおいしくするのです。 だしをさっと加熱して仕上げることが多い日本料理にとって、短時間で旨みを出せるキノコはとても便利な食材でもあります。 その代表選手が、キノコ汁ではないでしょうか。だしに醬油、酒、みりんで味つけして、たっぷりのキノコ(味出しのためにしめじ、舞茸、椎茸から、食感用にナメコ、えのきなどを。ぜひ複数の種類を合わせて)と鶏でも豚でも少々の肉が入れば極上。 具としてのキノコもさることながら、むしろ汁に染み渡る旨み。だからこそ、冬の鍋物にもキノコは欠かせないのです。 --------------------------------------- キノコのマリネ *材料(作りやすい分量) 好みのキノコ(椎茸、しめじ、マッシュルーム、舞茸、エリンギなど) 400グラム オリーブ油 大さじ2 <マリネ液> ワインビネガー 大さじ1 粒マスタード 小さじ1 サラダ油 大さじ2 塩、こしょう 各少々 【1】キノコは石突きを除き食べやすく切る。マリネ液はボウルに入れてよく混ぜる。 【2】フライパンにオリーブ油を熱し、キノコを炒める。水分が飛んで焼き色がつくく らいまで10分ほどじっくり炒める。 【3】熱いうちにマリネ液に入れてよく混ぜ、冷めるまでおく。3日冷蔵保存可能。 ------------------------------------ キノコのデュクセル *材料(作りやすい分量) キノコ(マッシュルーム、あれば椎茸、 しめじなどを合わせて) 400グラム 玉ねぎ 1/2 個 バター 20グラム 【1】キノコは石突きを除き、細かいみじん切りにする。玉ねぎも同様に切る。 【2】フライパンにバターを入れて火にかけ、泡立ってきたら玉ねぎをさっと炒め、キ ノコを加える。水分が飛んで、香りがしっかり立つまで 分ほどしっかり炒める。
上田 淳子(料理研究家)