人気漢方薬店で不調のセルフチェック方法と漢方の考え方を教わりました
セルフチェックの方法は?
とはいえ、松浦さんのような漢方に通じていてかつ、食事指導をしてくれる薬剤師さんが身近にいる人は少ないのが現状。そこで、日ごろからどんなセルフチェックをするといいのかを教えていただきました。 「まず気にしてほしいのが、食後の眠気です。食事のあと、すぐに眠くなるのは胃腸の疲れが関係していると考えられます。次に気にしてほしいのが睡眠。しっかり眠れているかどうか、夜目覚めやすくなっていないかどうか。夜中に頻繁に目が覚めるのは、『肝(自律神経や目に関係)』が弱っている可能性が高いですし、明け方に目覚める場合には『肺』が弱っていることが多いです」 もう一つ、東洋医学でよく行われるのが、舌のチェック。 舌は表と裏、それぞれにチェックポイントがあるのだそう。 「舌の表面では、舌の形、色、苔の状態などを見ます。にらさわさんは、舌苔が多く見られましたが、それは代謝が弱っているサイン。舌苔をクリーナーなどで取り除こうとする人がいますが、無理に取る必要はありません。代謝がしっかりと行われていたら、本来溜まらないものなのです。また舌の裏面からは、血流の状態が探れます。裏を見た時に隆起した赤黒い血管が見える場合には、血流が滞っている可能性があります。健康な状態では、目視できません」 日々状態をチェックしていると、自分でも不調かどうかを判断しやすくなるとか。 また、不調を感じた場合でも、いきなり薬に頼るのではなく、まずは食事を改善してほしいと松浦さん。 「漢方薬を利用する場合でも、胃腸がしっかり動いて吸収されなければ、成分が働きません。例えば、にらさわさんの場合は今、副鼻腔炎で鼻やのどに炎症が起きている状態です。その根本原因は、乾燥だと考えられるので、できるだけ乾燥しないような食べ物を選び、食べ方や調理方法も乾燥しないようにするのが望ましいです。具体的には、水分を発散させてしまうスパイスなどの辛いものを避け、体に熱がこもる脂の多い食事は避ける。食べ物に気をつけて漢方薬を服用したほうが断然効果的なのです」