伝統と革新の共鳴、大相撲×ユニクロの新たな挑戦
2025年に財団法人設立100周年を迎えた日本相撲協会と、世界的企業とのコラボレーションが実現した。カジュアル衣料品店「ユニクロ」が同協会とオフィシャルスポンサー契約を結んだことが1月6日に発表となり、親方衆や協会職員らが着用するジャケットが提供された。日本を代表するブランドと国技のタッグは、満員御礼に沸く伝統文化の魅力を象徴。相撲協会が近年導入した公式パートナーのシステムが成功していることの証明ともいえる。
早速の好感触
日本相撲協会の仕事始めだった1月6日。東京・両国国技館内の事務所では、新しいジャケットに身を包んだ親方衆や職員の姿があった。相撲協会の前身、大日本相撲協会が財団法人設立の認可を得たのが1925(大正14)年12月だった。そして2025年新春。100周年を迎えるにふさわしい、新鮮な光景が広がっていた。 このほど出来上がったオフィシャルジャケットは左胸に相撲協会、上腕部にユニクロのロゴマークがあしらわれている。そして背中の上部には、昨年9月の相撲協会理事会後に発表された100周年の記念ロゴ。特別感満載となっている。角界では現役を引退して親方になることを「紺色のジャンパーを着る」と表現することがある。本場所のテレビ中継で花道警備の親方が着用しているのを目にすることもあるように、ファンにはおなじみの紺色ジャンパーだったが、今回一新された。 ユニクロによると、社内にプロジェクトチームをつくって開発に着手した。親方や職員が働いている様子をモニターして研究。デザイン性と実用性を追求した。事務所や館内に至るまで、季節を問わずに着こなせるように軽量、伸縮、速乾性に優れた高機能ウエア「感動ジャケット」の生地を採用。ポケットの大きさや配置、そでをまくり上げやすい仕様にする念の入れようで、もちろん特注サイズにも対応している。 早速着用した相撲協会幹部は「伸縮性があって動きやすいね」と好感触を口にした。ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井康治取締役は100周年事業に携わることに「大変光栄に思います」とコメント。良好な関係性が示されている。