つんく♂楽曲のすべてに通底する「本質」とは何か?「LOVEマシーン」も「ズルい女」も根本は同じ
あの頃、多くの人がめっちゃ孤独を感じてたと思う。不況が続いて、いい時代じゃなかったし、毎日いやだった。何をやってもいまいちでつまらなかった。 ――時代によってどんな曲が受け入れられるかは変わるけれど根底にはつねに「人間は孤独だ」という考えがあり、そこから詞を作っていく、ということでしょうか。 そうですね。「孤独」だということに誰もがうなずけるなら、その裏返しには「誰かと居たい」「心あたたまりたい」という欲があるんだと思う。
「孤独」を歌う(作る)ことだけが僕のテーマというわけではありませんが、自分の芯たる部分が何かということを自分で知っておくことは大事です。作品がブレませんからね。自分の芯を知っているかいないかで、その作家の作品は大きく変わってくると思う。 曲でも映画でも何でも、作り手の中にどんな芯があって、その曲で何をどういうふうに言いたいかなんだと思います。 (5/5公開予定の「後編:「推し活」全盛時代に、つんく♂が思い描く未来」に続く)
山本 舞衣 :『週刊東洋経済』編集者