マカオで今年10例目の在郷軍人病感染確認…患者は63歳男性、容体危篤
マカオ政府衛生局(SSM)は11月18日夜、マカオで今年(2024年)10例目となる在郷軍人病(退役軍人病、レジオネラ肺炎)感染確認があったと発表。 患者は慢性疾病のないマカオ人の男性(63)で、11月7日から発熱と咳の症状が現れ、医療機関を受診。その後、症状が悪化したため、17日に私立総合病院の鏡湖醫院の救急外来を受診し、同院における補助検査でレジオネラ・ニューモフィラ抗原陽性であることが明らかとなり、在郷軍人病と診断されるに至ったとのこと。目下、患者の容体は危篤で、人工呼吸器の使用が必要な状態という。 なお、患者と同住の家族に体調不良の者はいないとのこと。潜伏期間中の渡航歴等については未公表。 SSMによれば、在郷軍人病はレジオネラ属菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられているとのこと。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ属菌は多様な環境下に存在するが、20~45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。 マカオで在郷軍人病の感染者が見つかるのは極めて稀なケースだが、今年については3月に1人、4月に4人、5月に1人、8月に1人、9月に1人、10月に1人、11月に2人(今回のケース含む)の感染確認があり、このうち8人が潜伏期間中に中国本土または香港滞在歴があった。近年の感染確認例は2023年が1人、2022年が1人、2021年が3人、2020年が6人、2019年が2人、2018年が5人。 SSMは今回の発表に合わせ、広く公衆に対して在郷軍人病予防策を講じ、感染リスクを軽減するよう呼びかけた。