惜しまれつつ閉店した街で評判のベーカリーが「冷凍パンの自販機販売」で再出発「時間に追われていた」店主が「今は落ち着いて作れるように」娘とともに作る冷凍だけど“焼きたて”の味
塩尻市にあるベーカリーは、2023年に一度は店をたたんだものの、復活を望むファンの声に応え、今年、新たな業態で再スタートを切りました。 おいしいパンを毎日届けるための、新戦略とは? 【写真を見る】惜しまれつつ閉店した街で評判のベーカリーが「冷凍パンの自販機販売」で再出発「時間に追われていた」店主が「今は落ち着いて作れるように」娘とともに作る冷凍だけど“焼きたて”の味 オーブンの鉄板の上に並んだ、焼きたてのパン。 香ばしい香りが広がります。 塩尻市広丘吉田のベーカリー「weggli(ヴェグリ)」。 店主の小野綾子さんが、自慢のパンを焼きあげます。 小野さん: 「これが天然酵母のタネです。酒かすなんですよ、これ」 発酵に使うのは、松本市の酒蔵から仕入れた“酒かす”で作る独自の天然酵母。 イーストと比べ発酵する時間はかかるものの、風味がよく、もちもちとしたパンに仕上がるといいます。 強力粉やライ麦粉、小麦粉など7、8種類をブレンドした粉も、おいしさの秘密です。 小野さん: 「一筋縄じゃいかないから面白いんですよね、パンってね」 20年ほど前に、趣味でパンを焼き始めたという小野さん。 配合や温度によっても変わるパン作りの奥深さに、魅了されていきました。 小野綾子さん: 「趣味でやってた頃はもう朝早くからね。パンパンって、手ごねなので、朝5時からうるさいわって娘たちに怒られながら、もうね楽しくてやめられなかったですね」 遂には一念発起して業務用のオーブンを購入。 2013年に、店を開きました。 店頭には60種類以上のパンが並び、おいしさが評判を呼んでファンも増えていきました。 ただ、夜明け前から暗くなるまで1人でパンを作り続ける日々は多忙を極めたといいます。 小野綾子さん: 「忙しすぎて体力が持たなかったっていうのと、お店を経営してくっていうのは本当に半端ない体力・気力必要なので…」 惜しまれつつも、開店から10年、2023年12月に店を閉めました。 ところが、閉店したはずの店を訪れると、店主の小野さんのパンを作る姿が…。 工程を見ているとその理由が分かってきました。 焼きあがったデニッシュの仕上げをするのは、一緒に働く、娘の詩織(しおり)さん。 小野さんの娘・松坂詩織さん: 「完成です」 (このあとどうする?) 「梱包して、冷凍にします」 焼きたてのパンが向かう先は、店頭の陳列棚…ではなくなんと「冷凍庫」! 焼いたパンはすべて冷凍し、「冷凍パン」として販売するというのです。 店の外に出た小野さんが、向かったのは… (何するんですか?) 「補充します」 そこにあったのは、自動販売機。
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