渡部建、物議醸した会見 メディアの在り方に疑問の声も
複数の女性との不倫が6月に報じられ芸能活動を自粛していたお笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建(48)が3日、都内で約1時間40分におよぶ記者会見を開いた。詳しい内容については既報の通りだが、渡部はこの会見を「謝罪会見」と位置づけ、一連の報道を概ね認める形で陳謝した。民放の年末特番の収録に臨んだとの一部報道が出た渡部だが、ネット上などではこのタイミングで会見を開いたことに疑問を呈する声も聞こえてくる。また一方では報道陣を批判する意見なども出ており、結果的にさまざまなアングルから物議を醸す会見となった。会見は成功だったのか、失敗だったのか。
「一歩間違えるとメディアによるリンチに」
家族心理ジャーナリストの麻生マリ子氏は、一般夫婦のみならず芸能人夫婦の不倫問題などにも携わってきた。渡部の不倫騒動そのものについては発覚当初から厳しい見方をしてきたが、今回の会見についてはメディアの在り方について考えさせられたという。 「まず最初にお断りしておきたいのは、渡部さんの行為自体は『女性を人間として扱っていないのでは』と言われても仕方がない、それぐらい最低なことをしたと思います。ですがそれとは別の問題として今回の会見においては、リポーターさんたちの執拗な質問に、一歩間違えるとメディアによるリンチになりかねないという懸念を抱きました。本来なら妻の佐々木希さんと渡部さん、相手の女性との問題であるのに世間様の義憤に対して謝罪をしなければならない、という部分が最近肥大化しているように思います。正義感の暴走を危惧します。志らく師匠がおっしゃったみたいですけど、同じことをマッチ(近藤真彦)さんに聞けるのかと」 その背景には、近年の記者会見の在り方も影響しているのでは?との声もある。週刊誌の50代男性編集者は話す。 「昔は芸能人の会見というとテレビで編集されたものを観るしかなかったけれど、最近は会見がネットで生配信されますね。恣意的な編集を防げるのは良いことですが、会見自体がまるごとショー化して、リポーターもある意味で演者化している部分があるのではと思います。上司も会社で観ている中、現場で厳しく質問を浴びせなければ怒られるかもしれない。本来は視聴者の聞きたいことを代わりに聞くのがリポーターの役割だったけれども、最近はやや変わってきています」