高年俸の主砲ベリンジャー放出の影響は? 燻る鈴木誠也のトレード説を米誌が提唱「得られる見返りはFA選手よりある」
現地時間12月17日、ヤンキースは右腕コディ・ポティートとのトレードでカブスの主砲コディ・ベリンジャーを獲得した。カブス側が2年分の年俸負担に当たる総額500万ドル(約7億6000万円)を支払う異例の条項も付帯しての合意に至った。 【動画】打った瞬間の「ミサイル弾」 鈴木誠也の弾丸ライナーアーチをチェック ヤンキースにとっては狙っていた主砲の獲得だ。今オフにFAとなったフアン・ソトがメッツと15年総額7億6500万ドル(約1147億5000万円)の巨額契約を締結したため、打線の核となれる強打者の獲得を模索していたチームは、2019年のナ・リーグMVPの実績を持ち、ソトと同じ左の強打者であるベリンジャーにロックオン。2年総額5250万ドル(約79億8000万円)の年俸を負担する形でトレードを成立させた。 一方で2年契約を残していた主砲を手放したカブスにとっても小さくないメリットのあるトレードとなった。 カブスは現地時間12月13日に三塁手のイサーク・パレイデス、右腕ヘイデン・ウェスネスキー、そして若手有望株キャム・スミスの見返りとしてアストロズから左の強打者カイル・タッカーを獲得。飽和状態となった外野手の人員整理とチーム年俸の調整が急務となっていた。トレードによる放出候補には2年契約を残す鈴木誠也も挙げられていたが、ベリンジャーが退団した。 ベリンジャー退団によって、現状はトレード拒否権も有する鈴木の放出に向けた動きが下火になるという向きが強い。ただ、現地時間12月12日の会見で、ジョエル・ウルフ代理人は、「ジェド(・ホイヤー編成本部長)はどのチームと交渉しているかを私に話してくれた。彼らがセイヤをトレードしたいとは思っていないと思うが、『これは断れない』と感じるシナリオもあるかもしれない」と強調。オファー次第で交渉に応じる構えは隠していない。 さらにウルフ代理人は、起用法についても、「『フルタイムのDHになれるぞ』と言われたら、セイヤはその球団と契約しなかった」と断言。「彼は日本で素晴らしい守備の名手だった。だから、DHというのは褒め言葉ではない」と、予想されるDHでの起用でなく守備機会を求めていく意向を強めている。 米メディアでは、移籍の可能性がいまも論じられている。米誌『Sports Illustrated』は「もちろんカブスが求める条件次第だが、スズキを獲得する上で必要な年俸負担はそれほど大きなものではない。獲得することで得られる見返りは、他のFA選手の獲得よりも受け入れやすく、トレードは理にかなったものになるはずだ」とフィリーズ入りを推挙している。 ベリンジャーのヤンキース入りの余波がどう影響するのか。カブスの補強動向は今後も注目だ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]