腐る地方県警…5人逮捕の鹿児島県警「百条委員会」でメンツ丸つぶれ!出向中の岡山県警幹部は不同意性交容疑で逮捕、崩壊したガバナンス
公務員は、どんなに能力があっても給料では差がつかない
警察事情に詳しい社会部記者は「公務員は、どんなに能力があっても給料では差がつかないため、経歴や最後にどのポストに就いたかでしか自尊心を満たせない。中でも政治家の大臣をトップに持たず、官僚である警察庁長官を頂点とする組織構造を持つ都道府県警の出世競争は、気に入られたキャリア警察官が出世するかなど独特の政治の世界がある」と解説する。起訴を受け、今後は本田被告が裁判でどのような主張を展開するかに注目が集まる。 警察当局が頭を悩ませているのは、実は本田被告の逮捕だけではない。最近、こうしたジカタトップによる不祥事が相次いでいるのだ。今年1月には、岡山県警の交通部長の男性警視正が、部下の女性警察官に昇進試験の問題内容を漏らしたとして書類送検された。さらに、同じ岡山県警から中国四国管区警察局に出向していた警視正の男が昨年11月に不同意性交容疑で逮捕され、今年2月に勾留先の広島中央署の留置施設内で自殺した。 男はマッチングアプリで知り合った女性に自身が警察官であることを明かして「始末書」を書かせた上で、性行為を強要していた。被害女性は少なくとも5人に上り、常習性も伺えた。前出の社会部記者は「鹿児島を含む一連の事件は、国民に一番近い都道府県警の信頼が揺らぐことが、組織全体にとっていかに重大な危機を招くかを改めて知らしめた」と指摘。「今後は中央ポストに偏っていた警察庁キャリアの人事も見直されるのではないか」と推測する。
鹿児島県議会「百条委員会」で警察のメンツは丸つぶれ
鹿児島県警の不祥事を巡っては、県議会で「百条委員会」を設置する案も浮上している。百条委員会が設置されれば、議会が調査権を行使して、県警関係者の出頭や記録の提出を要求できる。虚偽の証言には罰則も科される重い対応で、仮に実現すれば法執行機関である警察のメンツは丸つぶれだ。 近年の中央偏重人事を危惧してきたある警察庁OBは、内閣官房など警察キャリアの出向先の増加に理解を示しつつも「今の露木康浩長官や、その前の中村格長官は、地方で本部長経験がない。本部長経験がないトップが、47人の本部長やその下にいる警察官たちを束ねられるのかを懸念するOBは多かった」と明かした。