【愛子さまの1年】ご就職と初めてづくしの公務にお人柄伝わる「少しでも人のお役に」
天皇皇后両陛下の長女、愛子さまは2024年春に学習院大学を卒業し、日本赤十字社にご就職。本格的に公務を始められました。愛子さまのお人柄やお考えがより伝わってきた1年を振り返ります。 (解説委員「皇室日記」担当 笛吹雅子)
■ご就職「困難を抱えている方の力に」
2024年4月、「社会人としての一歩を踏み出したのだと身の引き締まる思いがいたしました」と笑顔で述べられた愛子さま。日本赤十字社に就職し、「青少年・ボランティア課」に配属されました。 学習院大学卒業後は大学院か海外への留学かと注目された中で、社会人となることを選ばれたことに、私も少なからず驚いた一人でしたが、就職に際しての愛子さまの文書回答を読むと、その驚きはすぐに別の感慨へと変わりました。 文書は、被災地で活動するボランティアの姿に胸を打たれたことや東日本大震災の復興支援に携わってきた友人の話が紹介され、ご両親である天皇皇后両陛下や皇室の皆様の姿をそばで見ながら、皇室の役目の基本は「国民と苦楽を共にしながら務めを果たす」ことであり、「公務以外でも、様々な困難を抱えている方の力になれる仕事ができれば」と考えるようになったという、愛子さまのやりたいことや思いが伝わってくる内容でした。「少しでも人のお役に立ちたい」とご自身でよく考えられた上での就職希望だったのだろうと、改めて「愛子さまの心」に触れた思いがしました。 お考えやお人柄が分かることは、皇室を理解する上でもとても大切な機会だと思います。 両陛下は「社会のお役に立てるとても良いお仕事なのではないか」と愛子さまの背中を押されたといいます。その後、皇后さまは「やり甲斐(がい)を感じながら励んでいる様子をうれしく思っています」と述べられていますが、愛子さまは公務と両立しながらほぼ毎日出勤し、5月の「全国赤十字大会」では朝早くに会場入りして、運営スタッフとして誘導や案内役をされたそうです。 青少年赤十字でボランティア活動をしている高校生にインタビューしたところ、「愛子さまはあこがれ」と話しました。社会に貢献したいと願い、それを仕事に選ばれた愛子さまは、これからそんな若い人たちの背中を押していく存在になるのかもしれません。