【お悩み】一人暮らしがしたい息子、心配な母…大学入学で迎える転機、どう解決する?
大学進学と同時に、子どもが一人暮らしを始めるケースは少なくありません。親元を離れて自由になれると期待を抱く子どもとは裏腹に、送り出す側の親の心配は募るばかり。年間約3000組の親子をサポートする思春期の子育てアドバイザー、道山ケイさんに、リアルな悩みを聞いてもらいました。 【写真】「メジャーじゃない外国語」を大学で勉強したい娘…その希望、サポートすべき?
【質問】
高校3年の息子は大学進学後、一人暮らしを希望しています。しかし、料理はもちろん、掃除も苦手。仕送りはするつもりですが、お金の管理ができるのか、栄養が偏って体調を崩さないかと心配です。そのため、「最初は寮に入ったほうがいいんじゃない?」と勧めているのですが、首を縦に振りません。勉強は自主的にしており、成績は問題ないので、この件で口を出しすぎて受験に影響したらいけないと思うものの、入学後のことが気になって仕方ありません。今からあれこれ言うのは、早すぎるでしょうか。(43歳・千葉県在住)
【回答】
これはチャンス到来ですね。子どもが成長するチャンスであり、親がしたかったことをする時間が生まれる良い機会でもあります。今回は大学進学後の一人暮らしについての相談ですが、振り返ればこれまでも子どもが小学校に一人で通い始めたり、中高生になって友達との時間が増えたりと、親としてさまざまな「心配の壁」を乗り越えてきたはず。今回もその大きな一歩です。 経済的な問題がないことが前提ですが、僕は一人暮らし推奨派です。息子さんは「何もできない」とのことなので、おそらく今は、生活のすべてを親がやってあげているのでしょう。これでは何もできなくて当然です。「コンビニご飯にも飽きちゃったな」とか「部屋が散らかって必要なものが見つからない」とか、一人で暮らしてみて困ったときに初めて努力するようになり、親への感謝も生まれるものです。今はネットで料理のレシピも調べられるし、やれば何とかなります(笑)。大学生って一生のうちで一番元気といってもいい年頃ですから、栄養が偏って病気になるなんて、そうそうないと思いますよ。 入学後の生活については、子どものほうから話題にしてくるのなら、今の時点で話しても問題はありません。ただし、「食事はどうするの?」「お金の使い方はわかるの?」などと親の不安をぶつけるのではなく、「一人暮らし、めちゃくちゃ楽しみだね。合格して花の大学生活を送りなよ」など、子どもが前向きになれる言葉を選びましょう。また、こうした会話のなかで自然に話せるなら、「でもさ、あなた洗濯機使ったことある? 試しにやってみたら」などと言ってみてもいいですね。ここで、「ほら見なさい、何もできないんだから」というようなダメ出しは、もちろんNG。よかれと思って、「じゃあ、おみそ汁の作り方から説明するね」などと改まってイロハから教えようとするのも、家事をしたことがない子どもにとっては逆効果です。