政治家による“違法な寄付” 法事のお供え物や開業祝いの花・・・何がよくて何がだめ?【#みんなのギモン】
東京地検特捜部はきょう(8月29日)、堀井学元衆議院議員を選挙区内で自身の名義の香典を秘書を通じて配布するなどしたとして公職選挙法違反の罪で略式起訴しました。 【画像】オリンピック選手時代の堀井学元議員 たびたび起きる政治家による違法な寄付。どのような場合に違法とされるのでしょうか。 日本テレビの情報提供サイトに寄せられた2つのギモンの声について、元東京地検特捜部検事の高井康行弁護士に聞きました。(日本テレビ報道局 調査報道班)
■ケース① 議員が選挙区内の知人の法事に花
『葬儀や法事の時に、地元の県議や市議から花やお供え物が届きます。 国会議員の香典が問題になっていますが、地方ではこのようなことが日常的に行われています。これって問題ないのでしょうか』 高井康行弁護士 「これは公職選挙法の"寄付の禁止"違反に該当し、50万円以下の罰金になります。公職選挙法では、政治家が選挙区内の人や法人、団体に寄付を行うことを特定の場合を除いて禁止しています」 金銭をはじめ財産的価値がある物品は全て禁止されており、葬儀の香典や結婚式の祝儀、開店祝いの花輪も対象に含まれます。ただし、政治家が自ら出席し直接渡す香典と祝儀については、選挙と無関係で一般的な金額であれば、罰則の対象から除外されるとしています。 過去には、元衆議院議員の菅原一秀元経済産業大臣が、有権者に対し秘書を通じて香典を渡したり枕花を贈るなど、およそ80万円分の違法な寄付をしたとして罰金40万円の有罪が確定しました。
■政治にお金をかけるのはNG 贈収賄のきっかけに
なぜ、政治家による寄付は禁止されているでしょうか。 高井康行弁護士 「政治にお金がかかるのを防ぐのが主たる目的です。寄付をしてもいいということになると、そのためのお金が必要になります。そうなると贈収賄など不正な方法でお金を集める動機になりかねません」 さらに、こういう目的もあるといいます。 高井康行弁護士 「財産的価値ということからすると花は違法性が低いように感じるかもしれませんが、祝い花などには送り主の名前が書かれ多くの人の目に触れることになります。ですから、これを許すと地盤培養のために一層お金がかかることになりかねません」 このため公職選挙法では選挙での買収行為を禁止すると同時に、選挙に直接の関係がない金銭等のやり取りも禁止しているのだといいます。