松本市の百貨店「井上」で最後の初売り…市内ではヨーカドー、パルコも相次ぎ閉店予定
3月末で閉店する長野県松本市の百貨店「井上」本店で2日、最後の初売りが行われ、閉店を惜しむ多くの買い物客でにぎわった。
午前10時の開店前から行列ができ、来店客は、フライパンや商品券などが入った創業140周年記念の福袋などを次々と買い求めた。同市の公務員(29)は「ありがたい気持ちと、さみしさの両方を感じる。市民はみんな同じ気持ちのはず」と話す。店内では、これまでの同店の歩みを振り返る写真展も開かれている。
同市内では井上本店のほか、今月13日にイトーヨーカドー南松本店、2月末に松本パルコが閉店予定だ。
また、長野市の「ながの東急百貨店」でも、大勢の客が行列を作り、開店を待ちわびた。約4500個の福袋が準備されたが、開店後10分で売り切れたものもあった。同市のパート従業員(59)は「中身が分からないドキドキ感が楽しくて毎年並んでいる。新年の親戚の集まりで、お年賀として分け合いたい」と、紅茶など五つの福袋を購入していた。
同店の飯島克敏営業本部長は、「物価高だがお得な福袋をたくさん用意した。初売りを楽しんでもらい、素晴らしい1年にしてほしい」と話していた。