“細谷真大へ飛び蹴りGK”にトルシエ「VARでレッドは厳しすぎるが…」高評価する“U-23日本代表の5人”「とりわけ藤田譲瑠チマだ」
この日本代表はちょっと不思議なグループだ
――延長でカタールにとどめを刺しました。 「この日本代表はちょっと不思議なグループだ。この年代で最高の選手たちが加わっていない。Jリーグのクラブからも選出の人数制限がある。さまざまな制約のなかでできあがったチームだ。しかしどの試合でも自分たちの真価を発揮し、選手は経験を得ている。彼らは力強く進化し、素晴らしい結果を得た。 忘れてならないのは、カタールは開催国であり、ホームでプレーするチームであったことだ。だからこそ日本のパフォーマンスは称賛に値した。カタールと戦うのは、日本にとって心理的に簡単ではなかった。重圧もあったが、最終的にとても素晴らしい試合を実践した」
とりわけ藤田は出色。19番…細谷も素晴らしいと思う
――後半のカタールは疲れが蓄積していきませんでしたか? 「それも日本が素晴らしかったからだ。日本はどの要素をとってもカタールに劣るものはなく、11人対10人の状況にはなったが、たとえ11人対11人でも日本の優位は変わらず、日本の勝利に終わっていただろう。11人のままならカタールは、よりオープンに攻撃を仕掛けてきたハズだ。後方にスペースが生まれ、日本の攻撃が容易になり90分で決着をつけていただろう。しかし10人になったため戦略を見直さざるを得ず、日本はスペースを見つけるのが難しかった。だが右サイドから幾度もチャンスを作った。攻め急ぐことなく忍耐強くプレーし、ピッチを広く使ってパスを回しながら、プレーの哲学を堅持し続けた。 山田と関根、藤尾の右サイドの連動は素晴らしかった。私は関根も好きだし山田も好きだ。また藤田と山本は優れたミッドフィールダーで、とりわけ藤田は出色だ。それから19番も素晴らしい選手だと思う。 ――3点目を決めた細谷ですね。 「日本は偉大なチームではないが、とても好感の持てるチームだ」 ――2失点はいずれもヘディングで決められたものでした。空中戦が日本の弱点と言えますか? 「日本だけに限らない。もの凄く多くの試合がセットプレーにより決まっている。どのチームも抱えている課題だ。PKやCK、FKなどなど。対応にはトレーニングが必要だし、不必要にセットプレーを与えるのは避けるべきだ。繰り返すがカタールの2点目はFKからだった。そこは経験を積んで修正していくしかない」
決勝に進むのは理論上、まず間違いない
――準決勝の相手ですが、イラクになるかベトナムになるかは明日わかります(ベトナムを1対0で下したイラクに決定)。 「どちらにせよ日本にとってはいい組み合わせだ。決勝への道が開けたといえる。日本がパリ五輪の出場権を獲得したうえで、決勝に進むのはまず間違いない。理論上はそうだ。次の試合はいつか?」 ――月曜です。フランス時間で19時半キックオフ(※日本時間で翌30日深夜2時30分)です。試合の後に電話します。メルシー、フィリップ。
(「ワインとシエスタとフットボールと」田村修一 = 文)
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