億万長者の米国選手たちがライダー杯の分配金にこだわるのはなぜ? 欧州マキロイは「40万ドルが必要な選手は一人もいないはず」
「ライダーカップで戦える立場にはお金を払ってもいい」
その後、PGA・オブ・アメリカと米国チームの面々との間では、水面下で交渉や討議が重ねられてきた様子で、ニューヨーク郊外のベスページが舞台となる来年のライダーカップでは、米国チームのみに1人40万ドルが支払われる見込みであることが英テレグラフ紙によって報じられた。 今のところ、PGA・オブ・アメリカはノーコメントだが、同紙によると、理事会の承認待ちという最終段階にあるとのこと。米国チームのキャプテンやトッププレーヤーからの声も、まだ聞こえてきてはいないが、欧州側では、すでに批判の嵐が巻き起こっている。 その筆頭は欧州チームのエース、北アイルランド出身のローリー・マキロイだ。 「ライダーカップに出場する両チームの合計24名の選手の中で、40万ドルを必要としている選手は一人もいないはずだ。2年間、試合で戦う合計104週のうち103週は(高額な)賞金をもらっているのだから、1週ぐらいは、純粋にノーマネーで戦っても良いのではないだろうか? 僕はライダーカップで戦えるという恵まれた立場に対しては、お金を払ってもいい。払ってでも出たい。ライダーカップと五輪の2つは、(お金ではなく)ピュアな戦いであるべきだ」 そう語った上でマキロイは「ライダーカップで得られる莫大な収益」に関しても言及。 「(主催者のPGA・オブ・アメリカが)ビッグな収益を得ていると言われているが、ライダーカップは世界の5大スポーツイベントの一つなのだから、そうだとしてもおかしくはない。優れた才能には対価が支払われるべきだとしても、ライダーカップは、そういう話を超越したものであり、とりわけ欧州選手と欧州のツアーにとっては特別なものだ」 マキロイの親友であるアイルランド出身のシェーン・ローリーも「ライダーカップを愛しているし、私はただただライダーカップに出たい」と語り、「お金が支払われるかどうかなんて関係ない」と言い切っている。 欧州出身のレジェンドである英国出身のニック・ファルドも「1995年大会でチームメイトらとともに激戦を制した思い出以上のものはない」と語り、米国チームの面々がお金を受け取ることに首を傾げている。 やはり英国出身の女子ゴルフのレジェンド、ローラ・デービースも「お金を求める人は恥ずべき人です。ライダーカッパーたちは代表選手に選ばれるまでに、すでに山ほど稼いでいるはず。お金をもらうためにライダーカップに出るなんて理解できない。もちろん、そう言っているのは(米国チームの)全員ではなく、数人だけなんでしょうけどね……」。