老後資金に困ったときの手段! 「リバースモーゲージ」と「リースバック」について解説
また、契約には推定相続人の同意が必要です。
リースバックを利用する
リースバックも、自宅に住みながら老後資金が得られるしくみです。リースバックは、自宅を専門の不動産会社にいったん売却し、新たに「普通借家契約」や「定期借家契約」の形で賃貸借契約を結びます 。その後は家賃(リース料)を支払いながら、自宅に住みつづけることができます。 リースバックを行う場合、自宅を売ってから住みつづけることになります。 自宅を売却した時点で売却代金が一度に手に入りますので、売却代金と家賃負担の差額を老後資金として活用できます。 ただし、リースバックは、相場より安い売却価格や、相場より高い家賃が設定されているケースが多い です。リバースモーゲージ同様、今住んでいる家にこだわらないのであれば、高く売却して安い賃貸に住み替えをするほうがよいかもしれません。
なお、このしくみは住宅ローン未完済でも利用可能です。ただし、売却代金>ローン残債の場合にかぎります。
リバースモーゲージとリースバックの違い
「リバースモーゲージ」と「リースバック」の違いは、図表1, 2のとおりです。 リバースモーゲージは、自宅のリフォーム、住宅ローンの完済、施設への入居費用など、老後資金としてまとまったお金が必要で、子どもなどに自宅を残す予定のない人におすすめです。 リースバックは、ローンの返済に困っている人や、事業資金や老後資金などまとまった資金を用意したい人 におすすめです。2つとも、自宅に住みつづけたい人には、適しています。
なお、資金の使途、年齢条件、対象物件などの違いも図表3で確認しましょう。
まとめ
「リバースモーゲージ」と「リースバック」は、自宅に住みながら自宅を使って、老後資金を手に入れる方法です。しかし、実行するうえではデメリットについても考え、必ずシミュレーションを行い、 慎重に検討する必要があるといえるでしょう。 例えば、某銀行の「リバースモーゲージ型住宅ローン」の借り換えシミュレーションにおいては、60歳現在で借り換え希望額を2000万円とすると、毎月の返済額は4万9583円(年間で約59万円)となります。現在の住宅ローンの返済額と比較してみることが大切です。 執筆者:水上克朗 ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー
ファイナンシャルフィールド編集部