日本人暗号資産投資家、シンガポール移住による節税の実態…超一等地のコンド在住、食事は外食、近い将来カルダノエイダを売却して帰国予定
暗号資産投資の利益確定を日本で行うと、最高55%の税金がかかりますが、この税金は海外移住で回避可能です。とはいえ、リアルなイメージが持てない方も多いでしょう。今回は、実際にシンガポールへの移住で節税をしている暗号資産投資家の安藤さん(仮名)にお話を聞きました。※本記事は、OWL Investmentsのマネージング・ディレクターの小峰孝史弁護士が監修、OWL Investmentsが執筆・編集したものです。 年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
2014年からビットコイン投資をスタート
小峰:安藤さんがビットコインを知ったのはいつですか? 安藤さん:2014年、当時最大の暗号資産取引所「マウントゴックス」が破綻したニュースでビットコインを知りました。そこで、周囲の人たちと話してみたら、ビットコインを買っている人が結構多いことに気づきました。 小峰:2014年の時点で、ビットコイン投資をしている人が周囲に多かったんですか? それは、よほど特殊なコミュニティでは…。 安藤さん:私は半導体の研究者で、大学で教員もしていました。ですから、新しい技術にトライしてみようという人が多い環境だったと思います。 小峰:なるほど…。そして、2014年にビットコイン投資を始められたと? 安藤さん:はい。2014年に出張で香港へ行ったとき、町中でビットコインを売っている販売所を見つけ、10万円分ほど買ってみました。 小峰:ビットコイン以外にも投資しましたか? 安藤さん:2015年にカルダノエイダも買いました。 小峰:カルダノエイダは、日本では、かなり激しく営業活動をしていたようですから、日本人の投資家で購入された方が多いですね。 安藤さん:営業が激しかったという話は聞きますが、私は、開発者チャールズ・ホスキンソン氏の話などをもとに、技術的な見地と将来への期待から興味を持ちました。マルチ的な営業活動をしていたなどという話をあとで知りましたが、少し残念です。
日本での利益確定時の税額に驚愕…「移住しなくては」
小峰:日本で暗号資産に投資を始めた安藤さんが、海外移住を考えたのはなぜですか? 安藤さん:ビットコインバブルのピークを越えた2018年だと思いますが、日本に住みながら暗号資産の利益確定をすると、最高55%の税金がかかることを知りました。55%もの税金がかかるのであれば、海外に移住しなくてはいけないと思い始めました。 小峰:移住先にシンガポールを選んだのはなぜでしょうか? 安藤さん:海外の研究者仲間で、シンガポールに会社を持っている人が「シンガポールに来たいなら雇ってあげる」といってくれていました。シンガポールはインフラも整備されていて住みやすそう、いつか住んでみたい…と思っていたので、せっかくなので移住することにしました。 小峰:シンガポールは雇用ビザ(EP)を取るのが難しいと思いますが、安藤さんはいかがでしたか? 安藤さん:そうですね。年齢にもよりますが、月給として100万円くらい取れる人であることが求められ、楽ではありません。ただ、私の場合、大学院でドクターまで取得した、先端分野の研究者であることがビザ取得に役立ったと思います。 小峰:たしかに、シンガポールのビザ審査では、学歴も考慮要素になりますからね。