年金だけで生活できない高齢者世帯は58.3%に増加…年金、増税、老老介護などお金の問題にどう対処すべきか
国民年金と厚生年金の月額
年金月額の改定で、2024年6月14日受給分から原則2.7%引き上げになりました。 国民年金と厚生年金の受取金額が変更されています。「2023年度」と「2024年度」の年金額の比較は下記のとおりです。 ●2023(令和5)年度の年金額モデル ・国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万6250円 ・厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):22万4482円 ●2024(令和6)年度の年金額モデル ・国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万8000円 ・厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):23万483円 払込状況などにより、受け取れる年金額はそれぞれ異なります。自身の年金見込み額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で個別に確認しましょう。 次の章では、世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄事情を確認していきましょう。
【65歳以上シニア世帯】社会保障で生活する1ヵ月の家計収支
65歳以上の社会保障で生活している無職世帯の家計収支を、総務省のデータをもとにみていきましょう。 ●単身無職世帯は毎月約3万円の赤字 ・実収入:12万6905円 ・消費支出:14万5430円 ・非消費支出:1万2243円 ・1ヵ月の収支で不足分:3万768円 65歳以上単身無職世帯では、実収入12万6905円に対し、消費支出が14万5430円、非消費支出1万2243円あるため、3万768円赤字が発生します。 ●夫婦のみ無職世帯は毎月約4万円の赤字 ・実収入:24万4580円 ・消費支出:25万959円 ・非消費支出:3万1538円 ・1ヵ月の収支で不足分:3万7916円 65歳以上夫婦のみ無職世帯は実収入24万4580円に対し、消費支出が25万959円、非消費3万1538円支出あるため、3万7916円赤字が発生します。 単身世帯、夫婦のみ世帯ともに、実収入に対し消費支出が多いため金額が不足しています。 生活を維持するためには、備えておいた貯蓄を取り崩す、食費や光熱費など支出を減らす、もしくは65歳以降も働いて少しでも収入を増やすなどの方法を考える必要があります。 次の章から、老後について考慮しておきたいポイントを解説します。