不登校の子供に「安心できる場所」で笑顔を 東京・練馬で支援続ける長谷部さんと吉岡さん
長男が小学校に入学して間もなく不登校を経験した吉岡さんも、そんな悩みを抱えた親の1人だった。
安心して利用できる居場所を見つけられずに過ごす中で、子供の心はさらに傷ついていった。「心が不安定になると、外に出たがらなくなる。親子で自宅にこもりがちになっていった」。吉岡さんはそう振り返る。
石神井プレーパークへの参加を通して知り合った長谷部さんに相談する中で、2人にある決意が芽生えていった。自分たちが、居場所の〝拠点〟となろう。
昨年5月、「石神井・小さなおうち」をオープン。月~金曜日に不登校の子供を受け入れている。
子供たちは最初は緊張気味でも、遊びを通して仲良くなり、はつらつとしていく。「明日を楽しみに子供が眠りにつくようになった」。利用者の親からは、そんな感謝の言葉も届くという。
活動は地域のボランティアらに支えられ、最近では学習支援や体操教室を開くなど、支援の幅は広がりをみせつつある。
「子供たちはいつだって成長したいという意欲にあふれている。安心して過ごせる居場所をつくってあげることで、その育ちを支えていきたい」(長谷部さん)。子供たちへ向ける2人のまなざしは温かかった。(三宅陽子)