フランス内閣、総辞職の公算 不信任、右翼が左派に同調へ
フランスで9月に発足したバルニエ内閣が総辞職の危機に直面している。緊縮型の来年度予算案に反発する野党が4日にも内閣不信任を成立させる公算が大きくなった。欧州連合(EU)ではドイツでも11月に政権が崩壊。仏政権が崩壊すれば、EUを牽引(けんいん)する両国が同時に政治的混乱に陥る異例の事態を迎える。 【写真】パリで2024年12月2日、下院で演説するバルニエ仏首相=ロイター 「国民が期待しているのは安定だ」。バルニエ仏首相は2日、国民議会(下院)でこう述べた後、来年度予算案の一部となる社会保障関連の法案を議会の採決を経ずに憲法の特例措置で成立させると宣言した。7月の総選挙後に過半数に届く勢力がなくなった下院で、バルニエ氏は少数連立与党を率いており、採決では賛成多数を得られないと判断した。 極右の流れをくむ右翼政党「国民連合(RN)」はその直後、内閣不信任案への支持を表明。4日に予定される内閣不信任案の採決で左派に同調するとみられ、バルニエ内閣の総辞職が決定的になった。RNの実権を握るルペン前党首は記者団に「バルニエ氏のもとで事態は悪化しており、放置するわけにはいかない」と話した。
朝日新聞社