トラック横転、コンビニガラス破損 愛知豊橋突風被害、気象台「竜巻」推定
愛知県豊橋市で7日、トラック2台が横転し、コンビニエンスストアのガラスが割れるなど突風被害が発生した。これに関連して名古屋地方気象台は8日、同町などの現地調査を実施。その結果、突風の現象は竜巻と推定されると発表した。被害があった地域では、住民らが割れたガラスや瓦、雨に濡れた家財道具の搬出などに追われた。
3キロの範囲、直線上に30棟被害 「何かが高く舞う」証言も
同市防災危機管理課によると、突風被害は、同市の高洲町から西浜町の約3キロの範囲で、南南東から北北西方向の直線上で確認された。民家など30棟で、屋根が壊れたり、瓦やガラスが割れたりした。看板や電柱がなぎ倒されたほか、飛んできたガラスなどが当たり、3人が軽傷を負った。住民からの通報は7日午後4時30分ごろから入り始めたという。8日の現地調査で新たに被害が確認された所もあり、被害の数は増える可能性がある。 被害があった地域に住む女性(37)は「自宅のアパートにいたら、電気がついたり消えたりした」と当時を振り返る。「何だと思って外を見たら、何かが高く舞っていた」と、驚きを隠せない。アパートは無事だったが、親族のビニールハウスが破損したという。
漏斗雲、移動する音、積乱雲通過……「竜巻」推定の根拠 気象台が説明
突風被害を受けて、気象庁機動調査班の同気象台職員3人は、被害のあった民家などを訪れ、被害状況や、突風が発生した当時の様子を住人らに聞き取り調査した。 その中で、竜巻が発生したときに見られる漏斗状の雲と、移動する渦の目撃証言、さらに「ゴー」という音が移動したとの証言が複数得られたという。レーダー解析でも、7日午後4時から40分間、活発な積乱雲が同市付近を通過していたことが確認された。この間に突風が発生したと見られている。 突風発生時の気象状況について、調査を行った同気象台の五十里勇人・気象防災情報調整官は「台風5号の接近により、東海地方に南から暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定になった。その影響で活発な積乱雲が発生し、豊橋市上空に移動した」と説明した。