フランス本国プジョー・スポールと開発提携の古豪ギャリー・ロジャース・モータースポーツが新型『308 TCR』をロールアウト
フランス本国のプジョー・スポールとTCR規定新型ツーリングカーの開発委託契約を結び「世界初の豪州製TCRモデル」となる2代目『プジョー308 TCR』を仕上げている古豪ギャリー・ロジャース・モータースポーツ(GRM)が、地元のサンダウン・レースウェイにて“P51”の型式を持つ新世代プジョーのシェイクダウンを敢行。併せて最初の走行画像を公開している。 【写真】サンダウン・レースウェイでシェイクダウンを行った新型『プジョー308 TCR』のリヤビュー 前述のとおり、南半球はオーストラリア大陸にてプジョーの第2世代モデルの設計と製造の任務を託されているメルボルンを拠点としたトップチームは、最初の設計フェイズ開始から約18カ月が経過した先週金曜日に、いよいよサンダウンでのロールアウトを迎えた。 トラックデイを活用した初テストでは、TCRオーストラリアでの優勝経験も持つベン・バルグワナ(プジョー308 TCR/ハンチャ・レーシング)がステアリングを握り、最初の評価を担当。同シリーズには2019年の創設以来継続参戦を続け、毎年のように勝利を記録しているGRMには、アーロン・キャメロンとライアン・カシャ(プジョー308 TCR/チーム・バルボリンGRM)のメインチームに加え、ジョーダン・コックス(プジョー308 TCR/シェフラーGRM)を含む計4台の第1世代プジョーTCRを走らせている。 「この日を迎えるにあたり、学ぶべきことがたくさんあることは明らかだった」と明かしたバルグワナ。「これまでのところ、新しいP51の小さな兆候やサンプルから、旧世代の308とは非常に異なるクルマであることがすぐにわかったが、多くのプログラムを実行して充分なデータを収集し、それについて調べていくことになる」 この初トラックテストを経て、さらに厳しいダイノテストのプログラムをこなした後、GRMは新型エンジンの1基をイタリアのモデナに送り、そこでTCRの世界的な権利保有者であるWSCによるさらなるテストと公式認証を受ける。 ■「望んでいたことのすべてを達成」と初走行に満足するロジャース 「GRMはこのプロジェクトに数え切れないほどの時間を費やしてきたし、こうしてトラックに持ち込むことさえ特別なことだった。クルマが初めてピットレーンから出てきたとき、誰もが大きな誇りを感じたと思う。まだパフォーマンスを語るまでには至っていないが、僕は間違いなく1日中満面の笑みを浮かべていたと思うよ」 今回サンダウンのトラックに登場したシャシーは、現在GRMが準備している4台のうちの1台であり、今後もチームは世界中の現行プジョー・カスタマー向けに新型車両の製造を準備していくという。また、統括団体であるWSCの代表者も車両自体の認証プロセスの一環として、豪州に渡りGRMのワークショップで時間を過ごす予定となっている。 「新しいクルマというだけでなく、とくに我々が社内で設計と開発、製造を担当した新型モデルがロールアウトする瞬間を見るのは、GRMのスタッフ全員にとって非常に誇らしい瞬間だった」と続けるのは、GRMのディレクターを務めるバリー・ロジャース。 「テストはうまくいき、我々は望んでいたことのすべてを達成した。実際のところ、予定された全プロセスが期待どおりに進むようにしただけなんだ」と続けたロジャース。 「このクルマには多くの機械的な新基軸が組み込まれており、我々が新しいクルマを製造するときはいつでも、オーストラリアだけでなくビクトリア州の製造業全体を活用することに重点を置いている。これは(現在の豪州トップフォーミュラである)S5000を開発、製造したときと変わりないアプローチだ」 「このクルマにとってトランスミッションは大きな課題で、現在世界のTCRモデルはすべて、2社または3社の主要サプライヤーの汎用品を使用している。我々は地元のホリンジャー・エンジニアリング社を信頼しており、この日のフィードバックも非常に肯定的だった。また10日後にはウィントンで再度のテストを行う予定なので、それも楽しみにしている」 [オートスポーツweb 2024年09月02日]