亡き祖父の夢を受け継ぐ 25歳の孫娘が会社を辞め“そば職人”に 長野・飯綱町で店開業 つなぎに「オヤマボクチ」を使う伝統のそば打ち
八方味人・畔上清加さん: 「そば打ちの道具があるのは知っていたんですけど、そういう意味であったんだと、その時知って、なんかすごくもったいないというか。オヤマボクチのそばは大好きで、このそばなら絶対みんな好きになってくれると確実に思っていたので、祖父の思いも継げたらなって思って」
■伝統のそば打ちを修業
祖父の夢を継ごうと決めた畔上さん。2022年に会社を辞め「オヤマボクチ」のそば打ちを学ぶため、地元で宿泊業を営むそば職人に弟子入り。アルバイトをしながら2年間通って、そば打ちを習いました。そばつゆは善光寺門前のそば店で作り方を教わりました。 2023年の春からは飯綱町で畑を借り、自身でオヤマボクチも栽培しています。 畔上清加さん: 「一番はつなぎが足りないというところですね。高齢化が進むのもそうなんですけど、なかなかつなぎにするのが大変な作業。栽培だけでもできたらなと思って」 高齢化などで栽培農家は減少しているそうで祖母から育て方を学び、店のつなぎにしています。
あとは店舗。たまたま母親とスキー場の関係者が知り合いで、2023年12月、レストハウスのテナントとして入ることができました。 打ち台とのし棒は祖父母の家にあったものを譲り受けました。
■本格そば打ち
この時期の営業は週4日。 開店前のそば打ちの様子を見せてもらいました。 信濃町産のそば粉にオヤマボクチの繊維を混ぜます。葉を煮て、天日干しを繰り返したもので手間がかかる上、わずかしかできませんがなくてはならないものです。
畔上清加さん: 「(オヤマボクチのつなぎは)つながりの良さ、麺が切れないんですよね。あとはコシの強さですね。硬いくらいのコシの強さがでます」
コシの強さを出すには、当然ながら、力を入れてこねる必要もあります。 畔上清加さん: 「結構疲れます。一番体力使います」
生地を薄くのばしたら、少し太めに切っていきます。 その方が歯ごたえがあり、そばの香りも楽しめるそうです。